最近OB訪問を受けていて、学生さんのポートフォリオを見る機会が多くなっているのですが、ひょえ〜!よくできてるな〜と思うようなポートフォリオは中々見ることはできません。
いやね、最近の大学生ってかなりプレゼン技術はある人が多いと思うんですよ。
めっちゃきらびやかに、フォトショやイラレ、あるいは3Dソフトをふんだんに駆使して、パッと見、「お!」と思わせるポートフォリオをつくってるんです。
けど、そういう小手先の技術は、みんなそれなりに持っていて、よく見るので、採用担当者とか、よくポートフォリオを見ている人には響かないと思うわけです。
んで、たま〜に、よくできてるな〜と思えるポートフォリオを見ると、ある程度の共通点があるので、ちょっとまとめてみたいと思います。
ストーリーがある
こいつのポートフォリオすげぇなーと思う1つの要素がこれ。
ポートフォリオにストーリーが感じられることです。
たとえば、これまで設計課題や研究をやってきた中で、自分が感じてきたこと、問題意識、学んだこと、それがストーリー調になっていて、ポートフォリオを読み終わると、その人の人となりや興味のあること、好きなことがわかる。
そんなポートフォリオはすごいなと思います。
単純にこれまでやってきた設計課題を並べるだけは誰でもできる。
よっぽどセンスがいい人はその設計課題の作品だけで勝負できるかもしれませんが、大抵、採用担当者は多くの作品を見ているので、作品だけで心を打つなんてことはそう滅多にできません。
だから、それらの作品を通して、あなたの人となりを伝えるような、そんなポートフォリオをつくるといいと思います。
自己PRにつながっている
まあ、ストーリーがあるポートフォリオと共通してますが、そのポートフォリオを1冊読めば、その人の強みがわかる。
そんなポートフォリオも良いと思います。
たとえば、自分の強みが3つある。
というのであれば、その3つの強みを言いあらわせるように、作品や研究、研究室で行ってきたプロジェクトをポートフォリオにまとめるのです。
これ、建築系のポートフォリオだったら、やっぱり設計課題の作品を見せた方がいいと思いますが、都市計画系のポートフォリオであれば、設計課題や研究以外のものを示したっていいと思っています。
例えば、「私は、研究室のプロジェクトを通して、研究室内のメンバー、実際にプロジェクトで関わる住民さん、行政の方、いろいろな人と関わる機会がありました。そこで、私は都市計画やまちづくりには大勢のステークホルダーが関わり、中には直接利害関係がない人までが、その事業に関わり、事業は一進一退で進んでいくことを肌で実感しました。そのような中で、私は、●●の経験を生かしながら、多様な人が関わるまちづくりをコーディネートしていきたいと考えています。」
みたいな、
・実際の都市計画やまちづくりで起こりうるであろう課題認識のアピール(また、それを認識した実感のこもったストーリー)
・その課題に対して、活かせるであろう自身の経験(バイトでも部活でも、なんでもいいと思います)
なんてことを、ある程度、ビジュアルにまとめられていたら、「おっ!?」と思います。
だって、だいたいの学生が設計課題とか研究とかをまとめてきているだけなので、そこで上述のようなことをビジュアルでまとめてるって、結構意表をつくと思うんですよね。
ただ、学生風情が実社会のことを知らないくせに何言ってんだ!なんて思う人もいるので、活かせる経験を話す際は、話し方に注意が必要ですけどね。
あと、全部設計課題や研究以外をアピールするのも、やめてくださいね。ろくに設計や研究をしてこなかった奴に思われてしまうので。あくまで、設計課題や研究もアピールした上での話です。
伝えたいことが一目でわかる
ストーリーがある、自己PRにつながってる
これらも大事ですけど、ポートフォリオがそういう構成になっているということを「パッと見」でわからせないと意味がありません。
でっかい、ビジュアルな模型写真やCG を魅せることも重要ですが、自己PRにつながる一言だったり、そこで学んだことをパッと見で魅せることも重要です。
せっかく、ストーリー調になっているのに、そのストーリーが感じられる一文が、隅っこの方に小さく載っていたら、もったいないです。
採用担当者が隅々まで見てるとは限らないので、伝えたいことが一目でわかるようにレイアウト構成やフォント種別、サイズ、色を気にしましょう。
★★★★★
割と多くのポートフォリオを見せてもらってきましたが、個人的にいいポートフォリオだな〜と思うものは、上記の要素が少なからず入っています。
何も設計課題だけをアピールせずに、上述したようにバイトでの経験をビジュアルにアピールしたって、いいと思う(ただし、意匠設計系で見せようと思うならダメ)ので、設計課題に自信がない人はぜひ試してみてください。
そんな感じ!
おしまい!
ちなみに、参考になりそうな本。