ものまちぐらし

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設計事務所で働く、都市計画コンサルタント兼一級建築士。まちづくりのことや激務の中でのちょっとした生活の楽しみについて書いてます。

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良い人生を送るための生き方 内藤廣/ちきりん・梅原大吾が教えてくれること

内藤廣と若者たち」と「悩みどころと逃げどころ」という2冊の本を読みました。

 

 

 

 

 

方や、建築界の巨匠が若者と語りあっている本、もう1本は人気ブロガーとプロゲーマーの対談本。

 

建築家内藤廣、人気ブロガーちきりん、プロゲーマー梅原大吾を列挙しているこの記事タイトル、、、こんな組み合わせ、このブログでしか書いてないよ。

 

で、なぜぼくがこのとても繋げようと思っても繋げられないお三方を繋げたかっていうと、ぼくは、家や落ち着くカフェでは紙の本を、電車の中では立っていてもスマホで読めるkindle電子書籍)を、という風に使い分けて本を読むことが多いんですね。

で、たまたまなのですが、「内藤廣と若者たち」は紙の本で、「悩みどころと逃げどころ」はkindleと同時期に読んでいたら、これまたt両本がとても似ていることが書かれてあるんです。

 

一見異なる2つの本ですが、「良い人生を送るための生き方」という一面で読むと、共通項があったんです。

 

何かを極めた人ってのは、たとえジャンルに違いがあろうと似たようなことを考えるのでしょうか?

この生き方、考え方という面はとても面白かったので、整理してみます。

 

 

当たり前のようにある社会のルールを鵜呑みにしない

内藤廣は大学時代、設計課題で大体1位をとるような超優秀な生徒だったようなのですが、ただその設計課題の順位をつけるシステムはくだらないと思っていたとのこと。

そんなことを思っていた内藤廣は本書で以下のようことを若者に語ってました。

 

ぼくはすべての人に可能性があると思うんだよね。大人たちがつくった判断基準による評価がすべてだ、と学生たちが勘違いをするのが嫌なんだよね。

 

ようするに大学っていうところには、そういう価値(1番でないもの)を評価するシステムがないわけですよね。きわめてかぎられた、偏った価値観で人をあきらめさせたり、可能性の芽を摘んだりしている。

 

内藤廣は、設計課題等で1番をとる人だけが、設計に向いているわけではない。それなのに、今の大学では、いかにも設計課題で1番をとる人だけが設計に向いているように教育していることが気に食わないと言っているわけです。

 

だから、内藤廣は、設計課題で先生が求めていること(良い点がつく設計)はすぐに把握できたけど、そうはしなかったそう。先生が一番嫌いなことをやって1番をとることを考えていたようです。

 

そんなことをして1番をとるなんて、才能の差を感じてしまいますが、決して決められたルールや枠組みに捉われない姿勢は見習いたいものです。

 

 

一方で、ちきりん。

ちきりんの日本の義務教育の教育の仕方に昔から疑問を抱いていた。ただ、ちきりんも内藤廣と一緒で、超優秀な生徒。

でもそんな教育にとても疑問を感じていて、授業参観時に答えがわかっていて、全員が手を挙げて「はい!はい!」言っている中で、斜に構えて自分だけ手を挙げないなど、可愛い反抗をしていたようです。

けど、そんな反抗を繰り返していると、以下のような仕打ちを受けたそう。

しかも小学校だと、 ペーパーテストではたいした点差がつかないので、元気よくハイハイと 手 を 挙げる子は5 が ついて、 手を挙げない子 は4になるんです。「それってどうなの?」って、ほんとーに気分が悪かったです。

けど、ちきりんは、このような評価軸に疑問を持っていて、それはなぜかというと

でもね、これがビジネスの世界だったら手を挙げるかどうかは関係ないでしょ。「キミ はいつも元気に手を挙げてるけど、 手を挙げてない人のほうが営業成績がいいんだ よね」 となったらおしまいです。もっと 言うと、 いい点がつくから手を挙げますなんて 人に、 仕事ができるとは思えない。 仕事ができるのは、 なぜここで手を挙げる必要が あるのか、しっかりと考える人だから。

 

まあ、会社によっては残業しないで仕事さっさと終わらせて早く帰る人より、残業しまくっている人の方が評価されることもあるから、ビジネスの世界においても意外と学校的な評価軸ってあるんだよなーとぼくは思った。

 

けど、ちきりんは内藤廣と同様に、当たり前のようにある学校の評価軸に疑問を抱いていたわけですね。

 

 

そして、梅原大吾

この人は、勉強をやる意味がわからず、とにかく寝ていたとのこと。

梅原大吾は本当に考え方が面白く、黒板係等の仕事もなぜやるのか?ということをしっかり教えて欲しかったとのこと。

面白かったのでちきりんと梅原大吾のやりとりを抜粋します。

 

ウメハラ 小学校の時、黒板係ってあったじゃないですか。黒板を消して、黒板消しをハタく役。僕も一応はやるんですよ。だけど、黒板係は本当に必要なのかどうか?

ちきりん えっ? それは必要でしょ。そんなこと考えませんよ、普通。

ウメハラ いや、「黒板係は必要」という答えが先に決まっていて、「だから誰かやれ」っていうの、むかつくじゃないですか。

ちきりん そんなコトにまでむかつくの? ちょっと信じられないんだけど。

ウメハラ そうですか? 僕は納得できなかったんですよね。いっそのこと黒板係を廃止して、黒板が汚くて授業にならないというところまで見せてくれれば、その必要性が理解できたんでしょうけど。

ちきりん そんな根源的なところまで戻って理由を考えさせろって思うんだ。

ウメハラ まあ、黒板係の例は行き過ぎかもしれませんが、学校って勉強でも行事でも、全部最初からやり方が決まってて、生徒は指示に従うだけ。それがすごく嫌だったんです

ちきりん そういうことに対して、何かアクションを起こしたりしてました?

ウメハラ 聞き返したりはしてましたよ。先生から「試験前だから勉強しろ」って言われて、「なんで試験前だと勉強しないといけないんですか?」とか。

ちきりん あー、ウザい生徒。

ウメハラ ウザがられてました。

ちきりん でも、それって本質的な質問だよね。「試験前だから勉強しろ」って、「勉強の目的は試験で良い点を取るためである」って聞こえるもんね。

ウメハラ でしょ。中学の時も社会の先生がことあるごとに、「とにかくおまえら勉強だけはしないとダメだ」と言うので、勇気を出して聞いてみたんです。「先生、すいません。なんで勉強しなきゃいけないんですか?」って。そしたら、「そんなことは考えなくていい」とはっきり返されました。「そんなこと考えるヒマがあったら勉強しろ」と。

ちきりん それねー。先生ってしょっちゅう「そんなコトは考えなくていい。とにかくやれ」って言うよね。アレ最悪だと思う。学校って「考える力」をつけるための場所なのに。

ウメハラ 「理由を知りたいとか言う奴は、結局やりたくないだけだろ」って決めつけてるんですよ。だから学校でやることは全部不満でした。何もかもあらかじめ決まってるから

 

梅原大吾はなぜ勉強しないといけないのか?なぜ黒板係の仕事をやらないといけないのか?という、普通の人であれば、「もうそういうもんだ」と諦めてしまう本質的な問いを ずっと持ち続けていました。

これも、内藤廣とちきりんと同じく、当たり前にあるルールや枠組みに疑問を持って、そしてそれに抗ってきたのです。

こうやって抗ってきたからこそ、日本初のプロゲーマーになったんですね。普通なろうと思わないですもん。

 

 

大事なのはやり通すこと

内藤廣は本書でこう語っていました。

 たとえば、前川國男。へたくそですよ、ぼくに言わせれば。

でもすこしちがう目で眺めれば、すばらしいといわしめるもの、前川さんにしかできないものを厳然として持っている。そういういろいろな価値、いろいろな生き方がある、ということを大学は教えないで、目先の容量のよさだけ競わせる。人参ぶらさげて、走らせる。

そんなのクソ食らえ、と思ってた(笑)。

(設計課題で)50番目にいたやつも、ずっとやっていれば50歳くらいですばらしい建物をつくる可能性だってある。そのほうが可能性としては大きいし、世の中を大きく変えるかもしれない。

 続けることがとにかく大事だと言っているんですね。

 

んで、ちきりん。

私のブログは今でこそ人気があるけど、 最初の3~4年は読者はごくわずか。 それでも、 毎日嬉々として書いてたわけですよ。 本当にやりたいこと、 好きなことって、他者に認められなくても気にならない。 もちろん認められたら嬉しいんですよ。だけど、 なくても困らない、 なぜならそれがゴールなわけじゃないから。 

これも、人気ブログになるまで、とにかく続けたという話。というか嬉々として続けていたら、いつの間にか人気ブログになったという話。

 

最後に、梅原大吾

これは、本書にはあまり書かれてなかったけど、梅原大吾は毎日ずっと(たしか8時間?)ゲームをしているとのこと。

これについては、以下の本のほうが続けることの大事さが書かれてましたね。

 

 

本書でも、一度ゲーマーの道から退いて、麻雀なども手を出したと書いてありますが、そこでも麻雀をひたすらやり続けて、一度はプロ級までの実力になったとのこと。

 

やはり、継続は力なり、ってことなんですね。

 

★★★

お三方、いずれも各ジャンルでトッププレイヤーとして走り続けています。

そんなトッププレイヤーの生き方に対する考えを学べる、この2冊の本はとてもおすすめです!

 

 

 

 

それでは!おしまい!