HOUSE VISION2 に行ってきました。
最近、仕事先でこのエキシビジョンについて話すんだけど、意外と知らない人が多くてびっくり。
これ建築やまちづくりに携わっている人は必須で行く展示会場じゃないの??
行かないとかいう選択肢は本当ない。
万が一、億が一、このHOUSE VISION2という展覧会を知らないという同業者のために、HOUSE VISION2が何なのか?ここに行く意義は?ということについてまとめようと思う。
7/30から8/28までだから、まだ間に合いますよ!ゆりかもめの青海駅から徒歩1分!
さあ、今から行くべし!
HOUSE VISION2とは?
「新しい常識で都市に住もう」これがHOUSE VISIONの理念です。
日本の都市、特に東京は、江戸時代から最大人口を持つメトロポリス。ここで営まれてきた暮らしは、経済成長の峠を超えた今日も、そして未来も資源にあふれ、可能性に満ちています。ここに私たちは、未来資源をさがさなくてはなりません。まずは「家」です。明治以来、近代化、つまり西洋化に向けて走り続けてきた日本は、マネーだけでは幸せがつかめないことを学びました。日本の伝統や価値についての自覚も芽生えています。そんな21世紀の日本という土壌に、どんな木を植え、どんな果実を収穫するか。一方では、日本のものづくりも変わろうとしています。テレビや冷蔵庫といった単品から、家そのものが総合家電へと進化しはじめています。やがて電力供給から通信・移動のシステムを含んだ大きな仕組みがハード、ソフトの両面でつながっていきます。その結果を、「住まいのかたち」に探ります。
コミュニティも土地や建築の価値も、すべてを本質において捉え直す必要があります。そして「家」を軸とした新しい都市の独創性を生み出し、海外へ発信していきましょう。HOUSE VISIONは、そんな試みや思索の交差点です。HOUSE VISIONとは、日本人の暮らし方を具体的に提示するためにつくられた情報発信と研究のプラットフォームです。研究会、シンポジウム、書籍、展覧会などさまざまな方法で、住まいの「新しい常識」を発信し、議論を交わしていきたいと思います。
大事なことなので、長ったらしく引用してみました。
まあ、色々と書かれてますが。企業と名のある建築家やクリエイターたちの協働によって、未来の新たな住まい、常識を実際に具現化させた建築物が実際に具現化されている。そんな展示会がHOUSE VISION2なわけです。
「2」としているのは「1」が2013年にも開催されたから。その時も面白かったけど、今回も面白かったです。
だって、未来の住宅が、実際に1:1のスケールでそこに展示されているんですよ?
実際に確認申請されてこの会場に建っているみたいですからね?
また、この展示会場に展示されている建築の一部は移築されることがすでに予定されているものまである。本当ワクワクな展示会なのです!
建築業界の人が行った方が良い理由とは?
まあ、行った方がいいですよね。明らかに。これ行かないとかあり得るの?
この展示会に協力している企業を見なさい。
住友林業│住友林業緑化│無印良品│LIXIL│凸版印刷│Panasonic│サンエムカラー│そら植物園│ナカサアンドパートナーズ│amana│日本デザインセンター
って見てみたけど、意外とゼネコンやデベロッパー、ハウスメーカーがほとんどいない。住友林業だけ。なんだか悲しいね。声がかけられなかったのか、協力する気がなかったのか。
声がかけられなくとも、出資します!と手を挙げるのは企業のCSR(社会貢献)的にも大事だと思うし、企業イメージ的にも意義あることだと思うのだけどな。
それこそ、各ハウスメーカーやUR都市機構、都公社なんかが、協賛に入っていても良いのに。。。
また、建築家やクリエイターは
五十嵐淳、長谷川豪、坂茂、永山祐子、谷尻誠、藤本壮介、アトリエワンなどなど
新進気鋭から大御所まで様々な建築家たちが関わっているわけですよ。
まあ、何が言いたいかっていうと、建築業界の方は、みんなこれ見て、こんな家をつくろうよ!ってこと。本当見て欲しい。そして大いに刺激を受けて、実現をして欲しい。てか、しようよ!
ぼくが行ってみて、面白い!と思った住宅
賃貸空間タワー 大東建託×藤本壮介
賃貸住宅の大東建託と建築家、藤本壮介のテーマは「賃貸住宅の再定義」です。これまでの賃貸住宅は、専有空間を最大化し、共用部分は通路のみという構成でできあがっていました。しかし、もしもプライベートな空間を最小化し、キッチンや浴場、シアタールームや庭などを広々とした共有空間にしてみるとどうでしょうか。贅沢なキッチンで料理を堪能し、広々とした浴槽で身体を伸ばし、ゆったりしたライブラリーで気分を変えて読書ができるのです。
自分の部屋に続く居間的な空間を他者と共有するシェアリング・ハウスとも異なり、プライベートと共有部分を鮮明に区分けし、それらを新たに結合し直すことで、気持ちのいい賃貸住宅の形が見えてきました。
時間に余裕のあるお年寄りや、庭いじりの得手な人が共有部の庭を管理してくれれば、それを全員が楽しむことができます。単調だった廊下は心ときめく複合空間に変貌します。
出典:2016 TOKYO EXHIBITION|HOUSE VISION
シェアハウスの進化系とも言えるこの住宅。
日本の住宅市場は本当に賃貸住宅がつまらない!こんな賃貸住宅があれば、マイホームを夢見る人ももっと減るのにな。
誘導の家 三越伊勢丹×谷尻誠・吉田愛
日本はリノベーションの時代に入りました。そこに斬新な視点から新市場を開こうと、三越伊勢丹と建築家、谷尻誠・吉田愛の協働が行われました。この家は「ニュー・ノマド」すなわち、定点居住というよりも、仕事で移動が常態となったような人々を対象としています。過密に働く彼らは交友の範囲も広い。どっぷりと暮らしにはまり込むよりも、月の半分を過ごす快適な拠点として、また、知人達を気軽に招いておもてなしができる、そんな空間を想定しています。世界は定住の時代から、再び遊動の時代へと動いているのかもしれません。
百貨店は、高い商品調達力で、ヴェネツィアングラスのシャンデリアでも、北欧の家具でも、京都の老舗表具店のふすまでも、自在に調達ができるはず。また築いてきた顧客との信用も大きな財産。建築家と施主の理想的な媒介者です。保守的になりがちな高額の取引に、ため息の出るようなソリューションを調達していきます。
出典:2016 TOKYO EXHIBITION|HOUSE VISION
これも良かった。
基本的に金持ちで世界を股にかけて働く夫婦を対象としているから、ぼくには関係のない家といえばそうなんだけど、空間としてかっこいい。
谷尻さんの建築はやっぱかっこいいな///
内と外の間/家具と部屋の間 TOTO・YKK AP×五十嵐淳・藤森泰司
TOTO・YKK APと建築家、五十嵐淳、そして家具デザイナー、藤森泰司が提案するのは「内と外の間/家具と部屋の間」です。始まりは「窓」を単なる壁の開口部と考えるのをやめ、そこに新しい機能を仮想し、空間の可能性を読み込んでみる五十嵐淳の着想でした。藤森泰司は、家具を、部屋から切り離された道具と考えず、空間と機能を同時に作り出す家具のあり方を模索していました。
結果として、窓は奥行きを持った開口部として発展し、内と外の間に、これまでにない不思議な空間が生み出されました。そこに、機能と空間を同時に生み出す家具が掛け合わされていきます。
具体化された展示ハウスは、扇の要のような部屋から、開口へと向かう厚みのある窓が放射状に展開し、安らぎも、入浴も、集中も、ダイニングも、それぞれを担う独立した空間として表現されています。この空間をなんと呼べばいいのか。全く新しい建築ボキャブラリーの誕生です。
出典:2016 TOKYO EXHIBITION|HOUSE VISION
この家、とても居心地良かったです!
中でもこのブルーのソファーが埋まっている空間。
程よい光と心地よい風が抜ける、ふかふかのソファーが埋まっているこの空間はずっとここで過ごしていたいと思わせてくれる空間でした!
★★★
他にもパナソニックと永山さんがコラボしてつくったIoTの家だったり、無印良品とアトリエワンがコラボしてつくった棚田の光景を見ながら仕事ができたり、住める家だったりと、気になる、わくわくする家がたくさんありました。
これからの時代、ストックが有り余っていて、リノベが主流になりつつある昨今においては、新築はこんくらい面白いもんつくらないとやってけないのでは?
そう思わせてくれるこの展示会はぜひ建築業界の人に行って欲しいものです。
そして、未来の住まいについて語り合いたい!
ちなみに、東京に住んでなくて遠くて行けないよ。って方はこちらの本を読んでみても良いかも。もちろん展覧会に行って、空間を肌で感じた後に、この本を読むとより面白く読めますけど。
おしまい!