設計自体はそこまでしたいと思わないけど、自社で設計を行っているところで、都市計画やまちづくりをしたい!っていう方は都市計画系の研究室に所属している方には多いはず。
ってことでニーズとしてはニッチだと思いますが、そんな人のために設計事務所業界の都市計画やまちづくり部署についてやこういう業界を目指している人のためにどんな選択肢があるか整理したいと思います。
組織設計事務所の都市計画・まちづくりの部署とは?
設計事務所の名だたるところと言えば、日建設計、NTTファシリティーズ 、日本設計 、三菱地所設計、久米設計、山下設計などなど、色々とありますよね。
ただ、都市計画系の部署を志望するってなると、一気に受けられるところが狭くなってしまいます。
ぼくが知る限りでは、ちゃんと都市計画系で募集しているところは、日建、日本設計、RIAくらいかな?と思っています。
基本的には敷地単体での設計を受注することがほとんどで、その土地に何を建てるかも決まっていないような段階から入り込み、たとえば行政等と一緒に土地利用を決めるところからはじめたり、ディベロッパーと一緒に施設の企画や概ねの配置等を考えたりすることを専門的に扱う都市計画部署をもうける会社はほとんどありません。
都市計画部署がない会社でも、設計部署で普段の設計のかたわらに都市計画部署で行うようなことは稀にあるかもしれませんが、基本はほとんどしていません。
なぜかというと、都市計画部署が扱うような仕事って基本的にはそのプロジェクトがはじまるよりも大分前の仕事(土地利用を決めたり、何を建てるか決めたり)だったりするので、発注者側もあまりお金がつかないことが多いんですね。つまりあまり儲からない。
とくに、大手の設計事務所ほどの規模の会社になると、本当に大した額はもらえません。
都市計画部署を自社でかかえている設計事務所は、自社の設計につなげるために都市計画部署をかかえていたりします。やはり「設計」事務所であって、あたりまえですが、基本は設計で稼いでいるんです。
たとえば、リニア新幹線の開通に向けて、とある新駅を開発するための予備的調査として、新駅建設候補地の現況分析や新駅の基本構想を検討するような業務を、とある大手の設計事務所がありえないくらい安い価格で入札で落とすなんてことがあります。
これは、この基本構想業務で赤字であっても、新駅開発の時の基本設計や実施設計につなげて、そこで稼ぐことを見据えているからです。
こういう無茶ができるのは、そもそもそれなりに会社に余裕がないとできないんですよね。ということで、都市計画部署をかかえている会社は限られています。
組織設計事務所の都市計画部署以外も考えてみる
えー!それじゃ、全然都市計画をやれる仕事って少ないじゃん!って思ったかもしれませんが、それは組織設計事務所ばかりに目を向けているから。
組織設計事務所にある都市計画部署が行っているような仕事を中心に稼ぎとしている会社もこの世の中にはあります。それが、都市計画コンサルタントや建設コンサルタント業界です。
ただ、上述したように、都市計画の仕事って本格的にプロジェクトが始動する前だから、あまり委託費も潤沢ではありません。そのため、潤沢ではない委託費でも存続していける会社なので、規模もそこまで大きな会社はありません。
こういう業界の会社ってどんな会社があるの?わからないやーって方は手取り早く、都市計画コンサルタント協会の会員名簿を見てみると良いですよ!
基本的にやることは組織設計事務所の都市計画部署とほとんど変わりません。
土地利用を考えたり、マスタープランをつくったり、どんな建物をつくるか構想を考えたり(基本計画)、していることが多いですね。
あとは、行政の政策的なところに踏み込んで、コンサル業務をやっていることもあります。
以外と学生が見逃しがちな業界ではあるので、少し業界分析をしてみても損はないですよ。
ちなみに都市計画部署はどこも狭き門
ゼネコン、組織設計事務所は、まだまだ学歴重視の色が強いと、就活を通して思いました。なかでも特に都市計画系の部署はその傾向が強いです。
ゼネコンでは、施工、設計。組織設計は意匠設計系の部署は学歴重視の色はだいぶ弱くなっていると感じます。構造、設備系の部署に関してはまったく専門外なのでわかりませんが。。。
ぼくもゼネコンや組織設計事務所の都市計画部署の就職活動を行っていましたが、基本的にエントリーシートでほとんど高学歴の人しか残していなかったという印象です。
エントリーシートを通った人だけですでに20人程度に絞られているなんてことも結構ありました。
まあ、何度も言いますが、そんなに都市計画部署でやっているような業務ってそんなに儲からないんですよね。なので、人もそんなにいらない。多くて年に3、4人程度しか採用しないと思います。1年に1人しか採用しないと決めているところさえあります。
ってことで、どうせ入るなら、採用する数人は高学歴な人。という企業側の気持ちもわかります。それに基本的に都市計画部署に所属している人の大半が高学歴な大学OB、OGだからなおさらですよね。
あとは、施工や設計の部署に比べて修士課程までは修了している人の割合がべらぼうに多いのも特徴ですね。
ってことで、これを読んでいる方が大学3年生の人はラッキー!さらに今いる大学がそこまで高学歴ではない人だったらなおさらラッキー!
上述してきたような業界に入りたければ、修士課程は、高学歴な大学院に進んだ方が良いです。大学受験よりもはるかに簡単なので、高学歴な大学院に進学するのはそこまで難しくないです。
まあ、これを俗に「学歴ロンダリング」と言われるんですけどね。就活においては学歴ロンダとか周りをみていると関係ない(それで評価が下がるようなことはない)ように思いました。
別に高学歴な大学院への進学は、就活のためにすることでもないだろうけど。
まあ、とにかく上記業界は、肩書きを持っていると強いと思います。エントリーシートを通る人の大半は有名大学、そしてそれを更に進むのはコンペで何かしらの賞を受賞していたり、研究室の先生がかなり名の知れている人だったりでしたからね。
★★★
ひとまず、思いつくままに、この業界の就活情報について書き連ねてみました。
また、何か思いついたら追記していきます。
それでは、おしまい!