
Photo credit: mrhayata via VisualHunt / CC BY-SA
日本は電柱だらけの街並みで汚いよね。ヨーロッパなんかは・・・
とか、したり顔で言う奴がいます。
いやね、本当、何言っちゃってんの?
何も、わかっちゃない!
ヨーロッパの街並みが綺麗なのは電柱がないからではない

ヨーロッパの街並みは歴史のある建物で構成されていることが多いです。
歴史的な建物でなくても、ひとつひとつの建物デザインのクオリティが高い。
だから美しいんですよ。決して電柱がないからではないんです。
いや電柱がないことも景観が美しい要因のひとつではあるんだけど、それは要因のうちの小さなひとつであって、美しいと思わせるもっとも大きな要素は建物なわけ。
そこを履き違えて、短絡的に電柱は悪だ!と言う人が結構います。で、そういう人がしたり顔で言うのが、「ヨーロッパの街並みは・・・」的な発言です。
「電柱 街並み」でググっても、ほとんどの記事は日本の街並みは電柱があってダメというもの。
いやね、電柱ない方がすっきりして良い街並みになるところもありますよ?古い街並みのところや、銀座のように景観面に配慮してしっかり高さ制限を設けているところ、自由が丘のような
路面店がたくさんあるまち、自然の景色がとても良いところなどなど
けどね、電柱取っ払ったところで、大した街並みでないところはたくさんあるんですよ。
それは、建物1つ1つが陳腐だから。
そんな陳腐な建物で構成されている街並みの中から電柱取っ払ったら、より一層陳腐さが磨きがかって浮き彫りになってしまいますよ!
電柱に対する景観うんぬん言う前に、建物自体を見て欲しいんです。そしてうんぬん言うのなら、おまえら、ちゃんと家買うときはまちの景観面に配慮して住宅買えよな?バルコニーや庭の手入れはしっかりとしろよな?と言いたいです。
ヨーロッパは自分の住まいを大切に住んでいる人が多いから街並みも美しい

そして、ヨーロッパのまちに行くと、わかるのは「自分たちの住まいを大切に住んでいる」ということ。
上の写真は、イギリスの田園都市として有名なレッチワースに行った時に撮った写真。
庭がめちゃめちゃ広いのに手入れが行き届いています。
そして、どこの住宅も綺麗に自分たちの庭を管理しているんです。
こういった様子をうかがえるのは、住宅街だけではありません。
集合住宅のバルコニーを見てもそれは感じ取れます。
たとえば、この写真はベルリンにあるカール・レギエン・ジードルングのバルコニーの様子を撮ったもの。

デザイン面が優れているのはもちろんのこと、どこの住戸の住人もバルコニーでガーデニングをされていて、それが外からもしっかりと見えるようになっている。
バルコニーにはパラソルなども設置されている家もあり、バルコニーから賑わいやそこに住む人の人となりが伝わってきます。
これなんですよ。ヨーロッパの街並みが美しいと感じるのは。
www.3bouz.com
一方で日本の住宅街を見渡すとどうでしょうか?
庭を綺麗に管理している家もありますが、鬱蒼とジャングルのように生い茂っていて管理が全く行き届いていない家や塀で囲まれて住まいの様子が全く伝わってこない家など、どこか自分の住まいを魅力的に見せきれていない家がほとんどのように見えます。
集合住宅で言えば、「洗濯物を干す」という機能としてしか使っていない家がたくさんあります。
これだと、ヨーロッパと違って、街並みから「自分の住まいを大切に使っている」感が全く伝わってきません。
だから日本の街並みはヨーロッパに劣っていると感じてしまうのです。日本の街並みからは、そこの住まいを愛してやまない感が伝わってこない、生活の営みが伝わってこないんです。
ヨーロッパの人は、自分の街の景観を美しく彩るため、そして対外的に自分の家をアピールするため、庭には結構なお金をかけるとも言います。
電柱は全く関係ありません。住まいに対する「人の想い」。これが重要なんですよ!
★★★
ちょっと海外旅行をしてみては、「電柱がなくて、街並みが綺麗だった。ぼくはそれに感銘を受けた!」とかいう輩を最近多く見かけたので、この場を使って、思いの丈を書きなぐってみました。
別に、電柱の地中化を批判するものでは全くなく、電柱をなくすという以外にも街並みを綺麗にするために考えるべきことはたくさんあるし、むしろそっちの方が重要なんだ!ということが言いたかったのです。
皆さんの周りに「やっぱり電柱がないヨーロッパの街並みは綺麗なんだよねー」とか言っている方がいたら、認識が甘い方だなと心の中で思ってやってください。
以上!おしまい!