ものまちぐらし

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設計事務所で働く、都市計画コンサルタント兼一級建築士。まちづくりのことや激務の中でのちょっとした生活の楽しみについて書いてます。

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考えさせられる医療漫画、「ブラックジャックによろしく」がオススメ!

ブラックジャックによろしくkindleで全巻無料だったので、つい読んでしまったのだけど、これ良い漫画ですねー

 

全巻無料!ダウンロードしておいて損はなし!

面白かったら、新ブラックジャックによろしくもありますよ。

この佐藤秀峰という漫画家は他にも僕の大好きな「海猿」を描いていて、こちらもオススメ!

さて、この「ブラックジャックによろしく」という漫画ですが、あらすじを一言で言うならば、

「実直で誠実、気弱で、常に色々と悩んでいる研修医・斉藤英二郎が色々な医局に研修に行き、そこで直面する大学病院や医療現場の現状を通して、医療の問題を浮き彫りにしていく」

 

って感じの漫画になってます。


で、この「ブラックジャックによろしく」全13巻で扱っている大きな医療の問題は、主に以下の4つです。


・大学病院の構造に関する問題

・未熟児・不妊治療に関する問題

抗がん剤治療に関する問題

・精神病(漫画ではとくに統合失調症)に関する問題


ぶっちゃけ漫画なので、かなり誇張していて描かれている面はあり、Amazonのレビューを見ると本職の人からはバッシングの嵐だったりします。


ただ、この漫画を見て、全て鵜呑みにするのは作者というよりは、読者側の問題なんですよね。テレビや週刊誌を見て鵜呑みにするレベル。

 

漫画を読んだ後は、こういう記事を読んでみて、少し落ち着いてください。

 

ただ、賛否両論いろいろとありますが、事実はどうであれ、医療の問題を考えるきっかけとして、この漫画はとても面白いと思います。

 

 

ぼくはこう感じた!

さて、相も変わらず、まちづくりの目線で見てみると、上記4つの大きな問題の中で、精神病の話はかなり関心の高いものでした。

 

というのも、土地活用を図る手段として、精神病院を誘致するといった話が、これまで関わったプロジェクトでいくつかあったんですよね。

 

精神病院を誘致するとなると、割と起こるのが住民の反対運動。精神病院でなくても、聾学校や高齢者施設なんかも結構反対される。

 

なぜ反対されるかというと、この漫画を読めばわかるように、精神病患者のことをよくわかっていないから。

 

かくいうぼくも恥ずかしながら、そういうプロジェクトに少し噛んでいたにも関わらず、精神病患者とはいったいどんな人たちなのか、全然把握していませんでした。

 

ハードの整備のことばかりで、そこに入所する人が、いったいどんな人なのか、あまり知りもしろうとしていなかったのです。めちゃ反省。

 

いや、軽いノリで書いてますが、結構反省しました。

 

そんなんもんだから、この漫画で印象に残った一コマがあって、これに結構心を打たれました。

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ほんとう、この通りなんですよね。危険かどうかも実際のところよくわからないのに、危険扱いにして。


おまえは、精神病患者の何を知ってんだっつーの!
ってなもんですよ。

 

この漫画はこのように色々なところで読者に疑問を投げかけます。

あなたはこの問題に対して、どう思う?どう向き合う?どうする?

 

主人公の斉藤英二郎は、だいたいが現実ではとてもやれないような問題の向き合い方をします。こいつが同僚だったら絶対いやだ。

 

けど、その主人公のある種、荒唐無稽な行動が、その医療の問題をはっきりと浮き彫りにしている感があります。

 

そして、はっきりと浮き彫りになることで、読者は強制的にその問題について考えざるをえなくなるのです。

 

まあ、絵柄もリアルだし、妙に説得力のある描写も多いので、ノンフィクション的に感じてしまうのもわかりますね、これは。

ってことで、頭を結構使うハメになるので、読後感は結構疲労がたまります。えぇ。

 

そして、読み終わったあとに何か答えが自分のなかで出ているかというと、答えなんて出ません。むしろもやもやが続く。

なので、息抜きで読む漫画ではないです。会社の昼休みに読むと、午後の仕事に影響がでかねないのでご注意を。

 

けど、そういうもやもやってその後の人生において、結構重要だと思うのです。

 

少なくともぼくは、この漫画を見て、精神病患者に対して見る目を変える機会をもらいました。

 

なので、今はこういう本でも読んで、いろいろな視点から精神病について学んでみようかなと思った次第です。

 

 

 
そんな感じ!サラバ!