ものまちぐらし

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設計事務所で働く、都市計画コンサルタント兼一級建築士。まちづくりのことや激務の中でのちょっとした生活の楽しみについて書いてます。

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伊坂幸太郎ファン歴10年の僕が綴る、本当にオススメしたい伊坂小説10選

僕、伊坂幸太郎大好きなんです。

 

どのくらい大好きかというと、新刊は予約して買い、短編集に伊坂さんの名前が入っていたら速攻買うレベルには大好きです

 

f:id:kotaro_qiq:20160418071257j:plain伊坂小説棚。この見えている小説の奥にも伊坂小説がぎっしり詰まってます。

 

そんな伊坂小説のどこに一体心惹かれるのか?

 

①魅力的なキャラ

伊坂小説に出てくる女性は僕好みの女性が多い!ほんのり柔らかで芯のある女性!

 

②作品中に雑学が豊富!知的になった感じがする!

作品中にしつこいほど、一つのことに対しての雑学が織り込まれていることが多いです。遺伝子工学の話だったり、ボブディランの話だったり、、、色々と。

 

③読んでいて思わずクスリッとしてしまうユーモアな会話

伊坂さんのキャラの会話って、とてもテンポ良く、小気味いい感じで進んでいくんですよね。そして会話の節々にクスッとしてしまうセリフがいくつもある。そういえば、大学の授業中に読んでたら思わず授業中に吹き出してしまったこともあるなー

 

④心地よい伏線回収

伊坂さんの伏線回収の仕方は、とてもほっこりするんですよね。心温まるというか。ぐっと涙腺を刺激するというか。不思議とそんな伏線の回収をしてくれます。

 

そんな伊坂さん大好きな僕がぜひあなたにオススメしたい、伊坂小説トップ10をまとめてみます。

まとめてみたけど、どれも甲乙つけがたい。。。どれも本当にオススメ!ここに載せていない小説含めて、全部が1位と思ってもらって良いです!

 

10位 あるキング

山田王求。プロ野球チーム「仙醍キングス」を愛してやまない両親に育てられた彼は、超人的才能を生かし野球選手となる。本当の「天才」が現れたとき、人は“それ”をどう受け取るのか――。群像劇の手法で王を描いた雑誌版。シェイクスピアを軸に寓話的色彩を強めた単行本版。伊坂ユーモアたっぷりの文庫版。同じ物語でありながら、異なる読み味の三篇をすべて収録した「完全版」。

 

出典:amazon

いきなり、これを紹介するのも気がひけますが、かなり賛否両論ある作品のひとつ。この小説とSOSの猿なんかは伊坂作品の中で第2伊坂期と位置付けられている作品です。つまりそれまでの伊坂作風とは異なる作品ってことです。

 

なので、伊坂作品初心者の方は、9位以下の作品をまず読んだ方がよいでしょう。9位以下の作品を読んで、伊坂テイストがある程度自分の中に浸透してから、この作品を読むと、「あれ?僕の知ってた伊坂さんじゃない!」と思われる方が大半でしょう。

伊坂さんをある程度読んだことがある人が、伊坂さんの挑戦的な作風転換を感じる上では、是非とも読んで欲しい一冊です。

 

9位 フィッシュストーリー

最後のレコーディングに臨んだ、売れないロックバンド。「いい曲なんだよ。届けよ、誰かに」テープに記録された言葉は、未来に届いて世界を救う。時空をまたいでリンクした出来事が、胸のすくエンディングへと一閃に向かう瞠目の表題作ほか、伊坂ワールドの人気者・黒澤が大活躍の「サクリファイス」「ポテチ」など、変幻自在の筆致で繰り出される中篇四連打。爽快感溢れる作品集。

 

出典:amazon

この小説は短中編集で、その中から「フィッシュストーリー」と「ポテチ」が映画化もされています。

 

フィッシュストーリは、バタフライエフェクト」、「風が吹けば桶屋が儲かる」的な話。40数年前の小さな出来事が、その後世界を救うような、そんな爽快で心がほっこりする話。映画も面白かったです!

ポテチも良いですよ〜これといって取り柄なく不思議な感じのある空き巣・今村、今村と一緒に暮らす女性・大西、さらに寡黙で腕の立つ空き巣の兄貴役・黒澤(この黒澤さんはいろいろな伊坂小説で登場してます)の3人が、地元のプロ野球チームの補欠(ただ、かつて高校野球のスターだった)尾崎をめぐるなんとも数奇な運命に向き合う話。映画も面白かったです!

どちらも映画も小説もおすすめ!そして、映画はどちらも中村義洋監督ですね。この伊坂小説×中村監督はハズレがないんですよね。映画もおすすめ!

 

8位 アヒルと鴨のコインロッカー

引っ越してきたアパートで出会ったのは、悪魔めいた印象の長身の青年。初対面だというのに、彼はいきなり「一緒に本屋を襲わないか」と持ちかけてきた。彼の標的は―たった一冊の広辞苑!?そんなおかしな話に乗る気などなかったのに、なぜか僕は決行の夜、モデルガンを手に書店の裏口に立ってしまったのだ!注目の気鋭が放つ清冽な傑作。第25回吉川英治文学新人賞受賞作。

 

出典:amazon

これも映画化されている作品ですね〜例によって、中村監督です。

 

ただ広辞苑を強盗する話なのに、なぜこんな面白い話が書けるんですか!?

伊坂さんお得意の時間軸が複数あって、現在と2年前が並行してストーリーが展開していきます。様々な伏線が散りばめられながら、ストーリーは進み、その現在と2年前が「ぱちっと」とつながる瞬間、あなたはこの小説の虜になっていることでしょう。

 

7位 陽気なギャングシリーズ

 

これも映画化されてるんですよね〜いつの間にか伊坂映画も多くなりましたね。改めて思うと。

 

陽気なギャングシリーズは、市役所で働く成瀬、喫茶店主の響野、20歳の青年久遠、シングルマザーの雪子の4人の銀行強盗のお話。けど、ただの銀行強盗ではなくて、それぞれに面白い能力があるんです。成瀬は相手の嘘を絶対に見抜く、響野は演説の達人、久遠はスリの名人、雪子は体内時計がめちゃ正確で半端ないドライブテクの持ち主。これらの4人がてんやわんやとストーリーを展開させていきます。

 

4人それぞれのキャラはとても濃く、みんな面白い。特に響野なんかは、強盗中にずっと演説しているだけ。スリの名人とかはまだわかるけど、演説しているのが得意って、そんな人が強盗団の一員って強盗小説ってある?って感じです。

 

とにかく、爽快、読みやすい。ミステリー要素もふんだんに盛り込まれています。伊坂さんの小説はあまり人が死なないミステリーがいっぱいあって良いんですよね〜

 

6位 オーデュボンの祈り

 

 コンビニ強盗に失敗した伊藤は、警察に追われる途中で意識を失い、見知らぬ島で目を覚ます。仙台沖に浮かぶその島は150年もの間、外部との交流を持たない孤島だという。そこで人間たちに崇拝されているのは、言葉を話し、未来を予知するというカカシ「優午」だった。しかしある夜、何者かによって優午が「殺害」される。なぜカカシは、自分の死を予測できなかったのか。「オーデュボンの話を聞きなさい」という優午からの最後のメッセージを手掛かりに、伊藤は、その死の真相に迫っていく。

 

出典:amazon

伊坂さんのデビュー作!

 

もう〜なんですか、「未来を予知するしゃべることができるカカシ」って?しかも、未来を予知できるのに殺されるって?どういうこと?

設定から引き込まれます。この小説はよく言われますが、どこか村上春樹っぽいテイスト。なので、村上春樹が好きな人も読んでみてください。

この小説の中で

 

未来は神様のレシピで決まる

 

という言葉があるんですが、この名言は他の伊坂作品でも使われてたりします。

伊坂さんの作品は、他の彼の小説でも同一のキャラが登場したり、同じセリフが使われていたりして、ファンとしてはそういうのを見つけるのもひとつの楽しみだったりするんですよね。

 

5位 重力ピエロ

半分しか血のつながりがない「私」と、弟の「春」。春は、私の母親がレイプされたときに身ごもった子である。ある日、出生前診断などの遺伝子技術を扱う私の勤め先が、何者かに放火される。町のあちこちに描かれた落書き消しを専門に請け負っている春は、現場近くに、スプレーによるグラフィティーアートが残されていることに気づく。連続放火事件と謎の落書き、レイプという憎むべき犯罪を肯定しなければ、自分が存在しない、という矛盾を抱えた春の危うさは、やがて交錯し…。

 

出典:amazon

これもまた、映画化。おいおい。

映画も小説も涙なしでは見られません。伊坂幸太郎という小説家を一気に世の中に知らしめた代表作でしょう。

この小説はね〜、もう心に残っているセリフや文がたくさんあるんですよ。

まずは冒頭で

 

春が2階から落ちてきた

 

という一文から始まるのですが、これがなんとも洒落おつで、、、くぅぅうううううう!!

 

あとは、

 

本当に深刻なことは、陽気に伝えるべきなんだよ」

 

とか、

 

春は俺の子だよ。俺の次男で、おまえの弟だ。俺たちは最強の家族だ

 

とか、

もう大好きな言葉です。

 

そして、春がある人に

 

赤の他人が父親面するんじゃねえよ

 

と言う時とか、もう号泣ですよ。涙なしには見られません。映画も小説も泣いた。泣いた。

あ〜、久々に読みたくなってきた。

 

4位 ゴールデンスランバー

 

衆人環視の中、首相が爆殺された。そして犯人は俺だと報道されている。なぜだ? 何が起こっているんだ? 俺はやっていない――。首相暗殺の濡れ衣をきせられ、巨大な陰謀に包囲された青年・青柳雅春。暴力も辞さぬ追手集団からの、孤独な必死の逃走。行く手に見え隠れする謎の人物達。運命の鍵を握る古い記憶の断片とビートルズのメロディ。スリル炸裂超弩級エンタテインメント巨編。

 

出典:amazon

これはかなり大々的に映画化されたからだいぶ認知されている作品ですよね。これきっかけで伊坂幸太郎を知ったという人も多いはず。

僕は、これがきっかけで、ゴールデンスランバーというビートルズの曲が好きになり、ビートルズの他の曲もたくさん聴くようになりました。

ハリウッド映画を見ているような小説で、息もつかせぬ展開。また、構成が四部構成になっているんですが、見ようによっては、三部が最後の章のようにもなっているユニークな小説です。

終わり方は賛否両論あるでしょう。ただ、決して抗えぬ大きな何かを相手にした時に、こういう終わり方もひとつの答えなのかな?とそんなことが思える小説です。

 

3位 魔王&モダンタイムス

漫画もあるよ。こっちも全巻読んだけど、面白い!

魔王とは何者なのか?魔王はどこにいるのか? 世の中の流れに立ち向かおうとした兄弟の物語。 会社員の安藤は弟の潤也と2人で暮らしていた。自分が念じれば、それを相手が必ず口に出すことに偶然気がついた安藤は、その能力を携えて、1人の男に近づいていった。5年後の潤也の姿を描いた「呼吸」とともに綴られる、何気ない日常生活に流されることの危うさ。新たなる小説の可能性を追求した物語。

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恐妻家のシステムエンジニア渡辺拓海が請け負った仕事は、ある出会い系サイトの仕様変更だった。けれどもそのプログラムには不明な点が多く、発注元すら分からない。そんな中、プロジェクトメンバーの上司や同僚のもとを次々に不幸が襲う。彼らは皆、ある複数のキーワードを同時に検索していたのだった。

 

出典:amazon

 

この魔王とモダンタイムスは、ゴールデンスランバーと姉妹作と言われている小説です。

少しネタバレになってしまうかもしれませんが、ゴールデンスランバーと魔王・モダンタイムスのテーマは、「決して抗えぬ、大きな何か」。これに人間が対峙した際に、人はどのような行動を起こすのか。そういうテーマ性のある小説です。

ゴールデンスランバーはその「大きな何か」からひたすら「逃げる」を選択した男の話ですが、

魔王・モダンタイムスはどちらかというと「大きな何か」と「戦う」を選択した男たちの話です。

終わり方は、どちらもエンターテイメントを期待している人からしたら、物足りないかもしれませんが、とても考えさせられるラストで締めくくってくれます。終わりまでの過程は文句なく楽しめると思いますしね!

必読!

 

2位 チルドレン

活字離れのあなたに効く、小説の喜び ばかばかしくも、恰好よい、伊坂幸太郎が届ける「5つの奇跡」 「俺たちは奇跡を起こすんだ」独自の正義感を持ち、いつも周囲を自分のペースに引き込むが、なぜか憎めない男、陣内。彼を中心にして起こる不思議な事件の数々――。何気ない日常に起こった5つの物語が、1つになったとき、予想もしない奇跡が降り注ぐ。ちょっとファニーで、心温まる連作短編の傑作。

出典:amazon

初めて読んだ伊坂作品です。この小説で僕は一気に伊坂ファンになりました。なんでこの小説を手にとったのか、全く覚えていませんが、それまでそこまで本とか読まなかった僕が、これをきっかけに一気に読書にのめり込んでいきます。小説読んでて、笑ったのもこの作品が初めて。

まあ、僕のエピソードとかどうでも良いですね。

 

この小説は、家裁調査官の陣内という男がとても破天荒、言っていること支離滅裂、実際にいたらうざいとは思うけど、このキャラが相当面白いです。

他の小説とは違って、特にミステリー的要素は薄いですが、心がほっこりする一作。

疲れている人にぜひ読んでほしい。心が洗われますよ。

 

 

1位 砂漠

入学した大学で出会った5人の男女。ボウリング、合コン、麻雀、通り魔犯との遭遇、捨てられた犬の救出、超能力対決…。共に経験した出来事や事件が、互いの絆を深め、それぞれ成長させてゆく。自らの未熟さに悩み、過剰さを持て余し、それでも何かを求めて手探りで先へ進もうとする青春時代。二度とない季節の光と闇をパンクロックのビートにのせて描く、爽快感溢れる長編小説。

 

出典:amazon

 

その気になればね、砂漠に雪を降らすことだって、、余裕でできるんですよ

この言葉が忘れられません。

春・夏・秋・冬の四部で構成されるこの作品。小説にいろいろな仕掛けが施されていて、ミステリー要素も十分楽しめると思いますし、大学生のキャンパスライフという青春要素も十分楽しめます。チルンドレンに出てきた陣内も出てきます!

ラストは、なぜか僕はうるっと涙してしまいました。別に泣く小説ではないんだけど。

 

伊坂さんの小説は、別に「ザ・泣ける小説」は少ないんだけど、ラストに伏線が回収され始める展開になるとなんだか泣けてくるんですね。

うまくは言えませんが、伊坂さんの小説ってそういう小説が多いんです。

 

どうでしたでしょうか?興味のある小説はありましたか?

とても読みやすい作風の作品ばかりなので、小説初心者の方にもおすすめですし、かといって読み応えは抜群なので、小説をたくさん読んでいる方にもおすすめ。

ぜひ読んでみてください!