僕は基本的にひとりで何かをするのが好きだ。
ひとりでカフェやバーに行ってひとりぼっちで読書することもあれば、ひとりで国内外問わず旅行することもある。
けど、カラオケ。これ自体をひとりでやるのは中々できずにいた。
そもそもカラオケ自体、そこまで好きではないし、最近の新しい音楽を特段聴くこともないもんだから、高校生の頃によく歌っていた曲しか歌えず、ひとりで行こうなんてことを考えもしていなかった。
そんな僕がなぜ今回カラオケにひとりで行こうと思ったのか?
いろいろと思いを巡らせてみるも、自分でもよくわからない。
奥さんと行っても同じような曲しか歌えないから、レパートリーを増やしてみよう。
声が低くて、いつも歌えない高い歌を歌ってみよう。意外と頑張れば歌えるかもしれない。
朝方、家で見ていたGoose houseのYouTube動画が楽しげに歌っていて、自分も歌いたくなった。
超絶、暇。
たぶん、いろいろな要素が重なりあって、ひとりでカラオケいってみようかな、という気になったんだと思う。
とは言ってもその日は、電車使ってまで出かけたくなかったから、徒歩範囲内のカラオケ店を探し、行くことに。
徒歩圏であったカラオケ店といえば、
この2店。
とりあえず、両店ともに近接しており、方向は同じだったので、お店の方に向かう。
最初に訪れたのは、カラ館。
淡いブルーの看板のお店。
行ったは良いものの、入口の前で少し躊躇した。
髪も寝起きのまま、髭もそらず、格好は適当。せめて、ミュージシャンを目指す若者風な格好をしておけば良かった。いやでも、それはどんな格好だ?
入口の前であれこれ考え、入るのを戸惑う僕に店員が気づき、目と目が合う。
そのままの勢いで入れば良かったのだけど、店員さんの何だよ?入るなら入れよ。的な冷ややかな目線が何とも痛くて、さも別に入る気はないよ?何となく見てただけだよ?的にお店を通り過ぎてしまった。
僕のチキン。
でも、まだだ。次がある。
その先にあるビッグエコー。ここだ。僕はここに入る運命だったんだ。
そう言い聞かせ、ビッグエコーへと向かう。
けど、お客さんがお会計で並んでる。なんかキャピキャピした女子中高生がレジの前でたむろしている。
うぅぅん!ちょっと時間置こうか。
眩しい彼女らの後ろに並ぶ自身がその時の自分にはなかった。
またもや自分に言い訳をし、ぶらぶらとまちを歩き、時間を潰してもう一度カラオケ店へ。
カラ館は店員と目が合ってるからダメだ。ここは、ビッグエコー一択。
今度は誰もいなく、勇気を振り絞って入店。
ここではじめて知る。店先に出ていた料金(30分120円)はあくまで2人以上の料金で、ぼっち料金(30分確か180円程度)なるものがあったのだ。
まあ、だからといって今更引き下がれない状況なので、何も言わず受付を済ませ、部屋へと連れていかれる。
ワンドリンクは絶対頼むことになっていたので、部屋に連れていってくれた店員さんに、ウーロン茶が欲しいと告げる。
部屋のメニュー表見て、あとで電話で注文するのが嫌だったからだ。さっさと頼んでさっさと持ってきてほしい。
そんなこんなで、ウーロン茶が到着するまで、曲を探す。
ウーロン茶が到着し、店員が部屋から出たと同時に曲を入れる。
ひとりで来たから、思いっきり歌ってやろうと思っていたけど、歌い出しは人と一緒に来るより緊張した。なんか知らんけど、緊張して案の定めっちゃ音を外した。
そして、ひとりで歌っていると、自分の声がかなり聞こえる。いや、最初のボリュームやエコー等の設定の問題もあるんだろうけど、とにかく自分の声が聞こえる。いつもよりよく聞こえる。
恥ずかしい。あれ?僕の声ってこんなんだっけ?というあれである。
最初は、今まで歌ったことがある曲を入れて、緊張をほぐしつつ、慣れてきたら今まで歌ったことのない曲ばかり入れて、音外しまくっていた。
結果。
友達と来るより、以外とカラオケでひとりで歌うのは恥ずかしい。慣れない、なんか客観的に自分を見てしまうという自分の性分も多分に要因としてあったのだろうけど、兎にも角にも恥ずかしかった。
ただ、今まで歌ったことない曲を遠慮なく外しまくって歌いたい時にはありかもしれない。いや、だから客観的に恥ずかしかったのかもしれないが。
歌える曲を思いっきり歌うなら、人と一緒に行った方が盛り上がるし、楽しいと思った。
そんな感じ。