ものまちぐらし

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設計事務所で働く、都市計画コンサルタント兼一級建築士。まちづくりのことや激務の中でのちょっとした生活の楽しみについて書いてます。

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いい加減、団地再生よりも団地のプロモーションに力を入れた方が良い件

最近団地R不動産なるサイトができるなど、団地での暮らしは注目されつつあります。

こんな本や

こんな本も出ている

 

なぜか、地権者でおられるURや住宅供給公社でなく、赤の他人とも言っていいだろうR不動産がなぜかプロモーションを頑張っています。

 

これ、なぜURや公社はここに全く力を入れないのだろう?

 

団地によって特設ページが設けられているけど、基本的に彼らのホームページで賃貸物件を見ると、味気のない一覧が出てきます。

 

kousha住宅供給公社のHPより

UR
UR賃貸のHPより

 

全くプロモーション力を感じられない!?

 

これを見ていると、遅々として進まない未利用地の活用や団地の建て替え、コミュニティ活性化などの団地再生に金と時間をかける前に、もっとプロモーション頑張れよと。

 

プロモーションだけであれば、団地再生より意思決定に至るプロセスは簡単なんじゃないの?

 

そう思わずにはいられません。

 

 

先に見たように、団地を他の不動産物件と同様に、立地、築年数、構造、間取りなどのただの諸元だけで表すと、全くもって魅力のない不動産物件となってしまいます。

 

これでは、誰も食いついてきません。「家賃が安いから」、その程度の理由で食いついてくるような輩しか引き込めない。

 

家賃の安さはあくまで団地のひとつの魅力でしかありません。

 

真に価値があるのは、しっかりとした耐震基準による安全安心な住まい、基本的に南面にリビングが配置されており、隣棟間隔を十分にとっているため得られている十分な採光、安心して子供を野放しにできる豊かなオープンスペース。

 

こういうところです。

 

こういう長所を組み合わせて、如何に豊かなライフスタイル像を提示できるか?如何に魅力的に生活できることを伝えられるか?それらが大事であって、築年数とか立地とかを真っ先に見せている場合ではありません。

 

団地が今後一定以上の稼働率を保ち、かつ地域に高齢者だけでなく、できるだけ若い人を呼び込んでいくためには、これが必須です。

 

ただ、こういうことを一向にやりません。彼らにとっては、若い人を呼び込みたいと、口では言っていますが、本気でやる気がないんだなーと思ってしまいます。

 

若者が賃貸を探すには、一にも二にもネットです。

 

足で探すなんていう、酔狂な若者はなかなかいません。

 

まして、団地なんて興味がありません。

 

そして、今の若者は立地、家賃も気にしますが、そこでしか得られない貴重な環境、生活像なども気にする人がかなり多くなっています。

 

団地の管理者の皆様。こういうことを踏まえて、そろそろプロモーションに力を入れてはどうですか?

 

今のままでも存分に魅力を持っている団地はまだまだいくらでもありますよ?

 

ひとまず、先にも紹介した以下の本を読んでみることをお勧めします。

 

きっと、プロモーションのヒントがたくさん隠されていることでしょう。