相変わらず時間の流れがゆっくりと、台風時の常磐線のように進む団地だった。
行ってきました。人生2度目。
カール・レギエン・ジードルング
巨匠ブルーノ・タウトが残した名作。ベルリンの世界遺産のひとつとして、名を連ねるこのモダニズム集合住宅。
世界遺産といっても、この団地、人が住んでいる。世界遺産に人が住んでいるのだ。
しかも、ただ住んでいる訳ではなく、「団地居住者暮らしのセンスW杯」があれば、上位入賞者はこの団地居住者が占めるのではないだろうか。
一建築物としてもかっこいい建物ではあるのだけど、居住者に愛され、大事に住まわれている。
そんなことを感じさせてくれるから、この団地に惹かれるのだろう。
行き方
最寄駅:Prenzlauer Berg
カール・レギエンに向かう途中、電車がストライキしており、動いていないなどのトラブルがあったが、ちょび髭はやしたおっさんにドイツ語で俺についてくれば大丈夫的な雰囲気のことを言われ、言われるがままについていったら、何とか最寄駅まで到着。
駅を出て、大通りを北に進むとスーパーが見えるので、そこを曲がると着きます。
様子
何で現代ではこの色使いができないんだろう?赤・緑・青のマットな色合いは、今見てもかなりかっこよく見えます。
また、この色使いに目がいきがちですが、それぞれの面のファサードは、バルコニーの形状などで微妙に凹凸が異なり、ずっと見てても飽きないファサードになっています。
エントランス側。
階段室型ですが、日本の団地とは違い、全て中に組み込まれている。とてもプライバシー性が高く、防犯的にも安全です。(こうすると、日本では、階段室部分が容積対象床に組み込まれるだろうけど、ドイツではそのあたりどうなってんだろう?)
また、階段室を中に組み込むことで中庭側のファサードとは打って変わって、とてものっぺらとしたシンプルなファサードになっています。ただ、窓枠の色使いや窓の形状が飽きさせない、愛着のあるファサードを形成しています。
周辺は緑が育っている緑道があったり、
可愛いサインなどもあったりする
日本はシンプルだったら、もうただシンプルな建物!って感じな建物が多い気がするんですが、ここは、シンプルなんだけど、可愛らしくもあり、どこかクールでもあり、複雑な一面を持っていたりと、多面的で奥行きがある。
建物がこう奥行きがあると、居住者も自由に使える、住むことができる!そんな様子がガーデニングをしていたり、ビーチパラソルを開いていたり、洗濯物が干されていたりするバルコニーからも伺えます。
人間だって、話してみると色々な面を持っている人って魅力的ですよね。最初は、そこまで印象よくなかったけど、話してみたら、とてもお茶目で優しい人だったとかわかると、その人のことがすごく好きになってしまいます。
そんなことを思わせてくれる、この団地。ベルリンに足を運んだ際は、ぜひ訪れてほしいです。