ものまちぐらし

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設計事務所で働く、都市計画コンサルタント兼一級建築士。まちづくりのことや激務の中でのちょっとした生活の楽しみについて書いてます。

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建築業種で働く人にはリア充になってほしい!てか、なるべき!

僕は建築学科を卒業し、現在も建築・都市計画コンサルタントとして働いているのですが、この建築学科またはそれに準ずるような学科を卒業し、建築業種で働いている人の最近の傾向に思うことがあるので、少し思いを整理してみます。

 

本業が忙し過ぎてリアルが充実していない

とにかく、建築関連の職種は忙しいです。アニメ業界までとはいかずとも、月100時間以上の残業をしているような会社もざらにありますし、大手の設計事務所でもそんな実態が普通にあったりします。

 

アトリエ事務所なんて、さらに激務です。

 

そんな生活を楽しんでいる人もいれば、仕方なく嫌々仕事をしているような人もいます。

 

ただ、楽しんでいようがいまいが、彼らの生活では、我が家はほぼ寝に帰る場所。そのため自分の地域との接点もかなり薄い。

 

こんな状況です。

 

家には寝に帰っているような人に家を建てて欲しくないし、まちづくりや地域活性化なんてできっこない

ほぼ、家に寝に帰っているだけ、そんな人が建築業界には山のようにいます。

 

いつも不思議でならないのですが、そんな人たちがつくった家やまち。これが本当に素晴らしいものになり得るのでしょうか。

 

僕は、そんな人がつくった家には住みたくない。

 

料理をしたことがない人、いつもコンビニ弁当で済ませている人にドヤ顔でキッチンなんてつくってもらいたいと思いますか?

 

僕は思いません。

 

DIYをしている部屋紹介をしているような人の職業に建築の職種は少ないように見受けられます。僕の周りの建築業種で働いている方々でも、DIYなんぞをやっている人なんてほとんどいません。

 

こんなDIYをしたことがないコンサルにDIY住戸にして、若者を誘引しましょうなんて、言われて説得力があるのでしょうか?

 

僕はそんな人にそんなこと言われても、全く響いてきません。

 

シェアハウスに住んだことがないくせに、高齢者のシェアハウスをつくって、相互扶助の関係をつくりましょう。とか都合のことを言ってんじゃないよ!!

 

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様々な経験を通した実感の伴った提案

愚痴っぽくなってしまいました。

 

けど現実として、今の日本のまちや家は、こんな暮らしをしている人によってつくられているのです。

 

ハード先行の時代であれば、良かったかもしれませんが、今はソフトが重要な時代です。

 

価値観やライフスタイルが多様化している時代。ソフトも様々なことが考えられるなかで、それらを入れるハコをつくる人の世界が狭いと、つくられるものもたかが知れてしまうように思います。

 

なんでもかんでも建築家やコンサルは体験しなければいけないのか、別にそこまで言う訳ではありません。

 

ただ、建築家やコンサルに求められる職能として、様々な価値観を持ったクライアントとの対話・ヒアリングにより、その思いを咀嚼し、プラスαしたうえで提案できる能力がひとつあると思います。これは様々な経験、もしくは卓越的な想像力がないと身についていかない能力です。

 

皆がみんな、卓越的な想像力を持っていれば良いですが、そんな人ごくわずかです。好奇心を持って、いろいろ経験をしたほうが手っ取り早いです。

 

たくさんの経験をするためには、生活にゆとりが必要

建築に限らず、どのような仕事においても結局言えることではありますが、様々な経験をすることで、仕事に生かしていく。

 

そのためには、仕事ばかりしていては、なかなかできません。

 

業務の効率化を図り、早く帰る。

 

近年、当たり前のように言われていることではありますが、他の業界と比べて、なかなか進んでいない。というか効率化図る気ある?というのが建築業界の実情のような気がします。

 

もちろん、その会社自体の問題でもありますが、発注者側の意識の問題であったり、この国の文化的な問題等、多くの問題が複雑に絡み合っていてなかなか残業を減らすということができないのは、わかります。

 

ただ、このままでは、この業界に優秀な人も今後入ってきづらくなるのでは?いずれ見放されていくのでは?

 

そんな懸念さえあります。

 

事実、大学の建築学科は昔では、倍率が他の学科を圧倒するような倍率でしたが、倍率が低迷傾向にあるといった話も聞きます。

 

建築業界、リア充計画

 

早くこの問題を解決しないと、優秀な人が入ってこなく、仕事ばかりしてきた世界や価値観が狭い人間の集団となってしまう。

 

そんなことを思うわけです。