ものまちぐらし

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設計事務所で働く、都市計画コンサルタント兼一級建築士。まちづくりのことや激務の中でのちょっとした生活の楽しみについて書いてます。

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パブリック・アライアンス・トークがおもしろい!第3回、「『官舎』『公共住宅』『病院』の可能性」を聞いてきた!

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ずっと行きたかったこれ!パブリック・アライアンス・トーク

ついに行ってきました。

 

え?何それ?って?

これはまちづくりに関わっている人は是非とも聞いて欲しい座談会ですよ!

 

●パブリック・アライアンス・トークとは?

日本全国に570兆円の公的不動産があると言われています。

今後の人口縮小社会では、膨大な公的不動産を活用して、まちを楽しくし、さらに稼ぎをつくって社会を支えていく新たな仕組みが必要です。その時には、行政の変化と共に、新たに公共資産を活用していく民間の変化も必要になってきています。
私たちは、官民連携や公民連携を意識し「稼ぐ公共資産」によって、まちを楽しくし、経済的価値と社会的価値を向上させ、より良い社会を作ることを目指しています。

行政では公的不動産(PRE)の利活用、PFI/PPPの推進などが叫ばれ、様々なアイデアや実践も増加しています。しかしながら、日本では都市経営分野に実績のあるビジネスプレーヤーの参入がまだまだ進んでいない現状があります。そこで、従来のまちづくりとは距離感のある、日本を代表するビジネスプレーヤーの皆さんに登壇して頂き、「私だったらこう膨大な公共資産を活用する」という勉強会を開催したいと考えております。

引用:パブリック・アライアンス・トーク 570兆円の公的不動産を楽しく、稼いで社会を変える | Peatix

 

レギュラーのパネリストである以下の3名を中心に毎回異なるゲストをよんで、官民連携による公共資産の活用について話し合います。

 

◯公共R不動産/東京R不動産 馬場正尊(ばば まさたか)
「リノベーション」「コンバージョン」と現在主流のキーワードになっていますが、10年以上前に「東京R不動産」という新しい視点で物件を紹介するWebサイトを立ち上げ、建物の再生、空間の再価値化の草分けとしてこの分野を牽引。株式会社オープン・エー代表/東北芸術工科大学教授/建築家/R不動産創設者。
 
一般社団法人公民連携事業機構、内閣官房地域活性化伝道師 木下斉(きのした ひとし)
経営によるまちづくりや再生事業に携わり、全国各地で補助金に頼らない自立的な民間主導行政参加型の先進的な事業を手がけてきた。人口減少時代に新たなまちづくりを切り拓くパイオニア一般社団法人エリア・イノベーション・アライアンス代表理事など。

 

◯2017年 TRUNK(HOTEL)を開業 野尻佳孝(のじり よしたか)
ソーシャライジング (自分らしく無理せず等身大で社会的目的を持って生活すること)をコンセプトにした渋谷区神宮前に2017年春TRUNK(HOTEL)を開業予定。CSV戦略をいち早く日本に取り入れる。
株式会社テイクアンドギヴ・ニーズ代表取締役会長。

 

 

今回ぼくが聞いたのは、このお二人がゲストの回!

孫 泰蔵氏(そん たいぞう) Mistletoe 株式会社 代表取締役社⻑ 兼 CEO

1972年生まれ。佐賀県出身。東京大学在学中にYahoo! JAPANの立ち上げに参画。その後、インターネットのコンテンツ制作、サービス運営をサポートする会社を興す。2002年、ガンホー・オンライン・エンターテイメント株式会社を設立、デジタルエンターテインメントの世界で成功をおさめる。

その後も、様々なベンチャーの創業や海外企業との大型JVなど、ある時は創業者、ある時は経営陣の一人として、一貫してべ ンチャービジネスに従事した後、2009年に「2030年までにアジア版シリコンバレーベンチャー生態系をつくる」として、スタートアップのシードアクセラレーターMOVIDA JAPANを設立。2013年、単なる出資にとどまらない総合的なスタートアップ支援に加え、自らも事業創造を行うMistletoe株式会社を創業。21世紀の課題を解決し、世の中に大きなインパクトを与えるようなイノベーションを起こす活動を国内外で本格的に開始、ベンチャーの活躍が、豊かな社会創造につながることを目指している。

 

松田 公太氏(まつだ こうた ) 前参議院議員タリーズコーヒージャパン創業者

1968年生まれ。5歳から17歳までの大半を海外で過ごす。

90年筑波大学卒業後、三和銀行(現・三菱東京UFJ銀行)を経て、97年にタリーズコーヒー日本1号店を創業。翌年タリーズコーヒージャパン(株)設立。2001年株式上場を果たす(04年MBOにより非上場化)。300店舗超のチェーン店に育て上げ、07年同社社長を退任。同年、世界経済フォーラムダボス会議)にて「Young Global Leaders」の1人に選出される。08年、シンガポールへ拠点を移し、飲食事業を中心に数々のビジネスを手掛ける。09年 Eggs‘n Things (エッグスンシングス)の世界展開権(米国除く)を取得し、EGGS ‘N THINGSINTERNATIONAL HOLDINGS PTE. LTDをシンガポールに設立。日本では10年に原宿1号店をOPENさせ、「パンケーキブーム」の火付け役となった。

同年、参議院議員選挙で初当選(東京選挙区)。16年の議員任期満了後は、飲食事業の海外展開や自然エネルギーの事業など精力的に活動中。

 

以上の5名で、官舎・公共住宅・病院の官民連携の可能性について徹底討論していました。

 

もう、本当に刺激的で面白かった。

ということで、今回はこの5名が話していたことで気になった話をピックアップ !します。

 

タリーズ創業者 松田さんのお話

都心の一等地や好立地に出店していたスターバックスと戦うため、タリーズは別の戦場を見つけようとしたとのこと。

そこで、小さなスペースでも憩いの場所となるようなものを作ろうとしたそうです。

それは、カウンターにちょっと椅子があるくらいの場であったり、オフィスのロビーフロア内に席のないカフェをつくってみたり、日産のショールームに出してみたりと、当時のスタバが決して狙わないところに出店していったそうです。

 

そのような中、松田さんの弟がご病気で入院されたそうです。

その病院は、当初すごい雰囲気の悪く、病院内の食堂もとてもサービスの悪い食堂だったそう。

そういった環境に入院している弟に何退院したら何がしたいか、聞いたそうなんですが、弟さんは「マクドナルドに行きたい」と答えたそうです。

これが、何を意味しているのか?

 

松田さんはこうおっしゃっていました。

入院患者は、下界(一般社会、生活)から隔離され、暮らしており、非日常的な空間に押し込められている。そのため、下界と同じような環境を求めている傾向にある

 

そこで、松田さんは病院内にカフェをつくろうとされたようです。最初は弟さんが入院されていた病院にカフェを入れる交渉をしたら、「そんなチャラチャラしているものはダメ」と言われたようです。

 

で、なんやかんやあり、東京大学病院に無事に出店することができ、初日から行列ができたようです。最初はダメだと思っていたらしいですが、医者、看護師、患者、それぞれが分け隔てなく、平等に並んでいた光景がとても嬉しかったようです。

 

とても素敵な話なので、印象に残りました。

 

 

病院のリノベーション

さて、そんな松田さんの話があり、病院をリノベーションするとしたら、どんなものがあるだろう?なんて話がありました。

 

ここで、出てきた、宮原眼科の事例が面白かったので、紹介します。

matome.naver.jp

 

台湾にあるのですが、眼科をスイーツショップにリノベーションした事例です。

karenbookingstyle.com

 

一方で、他の用途を病院へとリノベーションするようなものはあるか?という話になりました。

やはり、バリアフリーだったり、色々な設備がある上で、なかなかそんな事例はないだろうとのこと。

ただ、ホテルは病院にリノベーションできる可能性があるのでは?という話が馬場さんの方からありました。

 

近い将来、病院はなくなる!?

これが面白かった。

孫さんは、2、30年先考えると、病院はなくなるのでは?と思っているらしいです。

 

具合の悪い患者を一箇所に集める今の病院というシステムはすごく傲慢だとさえ言ってました。

 

というのも、AIが進化すると、家にいながらにして、病院にいなくても最先端の医療を受けられるだろうとのこと。

実際にすでにこんなニュースが最近ありましたよね。

healthpress.jp

 

病院をどうするか?ということより、最先端の技術を駆使しながら、入院する以前の予防をどうクリエイティブに解決するか?という視点もこれからはより重視されるだろう、という話もありました。

 

 

官舎どうするか?

官舎の活用がなかなか進まないのは、最終的な決定権が、財務省の理財局にあるということ。

既存の官舎を活用するより、結局売った方が楽で売ったところは大体大手ディベのマンションになっているんです。

これは、団地に関しても言えますよね。

 

たとえば、URの一棟丸ごと団地リノベーションもこのルネッサンス計画以来、全くないです。住戸単位でのリノベーションはあるものの。。

www.ur-net.go.jp

 

なんで、この取り組みがこれ以上起きないかっていうと、やっぱり「売った方が楽だから」ってことに尽きると思います。

 

 

行政が民間に任せきるという勇気

Open Aが葛飾区柴又の女子寮をリノベして、ホテルにしました。

www.roomie.jp

 

ここで、よかったのは、葛飾区が基本的に民間に任せ切ってみたというところ。

固定家賃で、民間に貸し出し、あとは好きにしてくれという形で、リノベができたそうです。

 

ただ、固定家賃より売上に応じた変動賃料にした方が、自治体も一緒に自分ごととして考え、がんばるので、そっちの方がよかったのでは?なんて話もありました。

 

 

ポップアップコモンズという概念

ロンドンにあるこれ。まずはご覧ください。

miraie-future.net

 

2015年内に完成予定のサウスロンドンにある”pop brixton”は「地元のスタートアップ企業やスモールビジネス」の為に考案されたコミュニティキャンパスです。

そのpop brixtonは使われなくなった輸送用コンテナで構築され持続可能性と効率性を中心に、低コスト、低エネルギーを実現するコミュニティキャンパスとなっています。

引用:【コンテナ再利用】スタートアップ企業のコミュニティキャンパスがおしゃれ | THINK FUTURE

 

めっちゃかっこいいですよね。

 

これを参考に、孫さんは

ポップアップコモンズ(Popup Commons)という概念を打ち出しました。

oreoka.com

 

「いつでも好きなところに住める暮らし」を実現するために、家を運べるようにしたり、その他、移動しながら暮らすことができる仕組みをつくる「Living Anyware」というアイデアを、防災などに役立てていこうという内容

引用:福岡を世界一 Resilient(しなやか)な街へ!災害に強い、そんな街づくりを推進する Popup Commons Meetup が開催されました – OREOKA.COM

 

ポップアップストアなどで使われるコンテナを使って、移動可能な住居や商店などをつくり、町を形成して、もし、震災などにあったら、町ごと移動できるという仕組みになるというアイデアを「Popup Commons」と呼ぶようにしたそうです。

引用:福岡を世界一 Resilient(しなやか)な街へ!災害に強い、そんな街づくりを推進する Popup Commons Meetup が開催されました – OREOKA.COM 

 

めちゃめちゃおもしろそうですよね。

こういったことを、社会的意義を求めている傾向が強い、若い人たちの力を使って、やれたら面白いねーなんて話になりました。

 

 

総括

ってことで、今回のこの回の総括を馬場さんがしてくれました。

おっしゃっていたことは、だいたい以下のような感じ。

 

  • 非日常の中に日常が入り込むことによって人をハッピーにさせることができる。そのひとつの事例、突破口が東大病院でのタリーズ展開だった。

 

  • 小さくてもいいから、何かつくることで一状況を変えられることがある。

 

  • 病院がなくなる。

 

  • 20代は、社会的意義を求めている力が強い。彼らをこのよな官民連携に巻き込むためのフェスをやろう。

 

脈絡もなく、綴ってしまいましたが、あしからず。 

 

とにかく、この場に言っていろいろと聞いた方が、俄然面白いので、まちづくりに関わる人は、是非とも行ってもらいたいです。

 

そんな感じ!

それではっ!

 

ちなみに木下さんの本はおすすめですよ!