ものまちぐらし

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設計事務所で働く、都市計画コンサルタント兼一級建築士。まちづくりのことや激務の中でのちょっとした生活の楽しみについて書いてます。

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多目的、多目的って何目的なのかわからなくなっている空間

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多目的という言葉が嫌いです。

いやね、まちづくりに関わっているとよく出てくるんですよ。この言葉。

 

子どもから高齢者まで、多世代が使える多目的広場

 

とか

 

多様な人が多目的に使えるコミュニティスペース

 

とか


いやいや、多目的って何目的?

 

そんな場所、魅力的でも何でもないよ!!

 

そんなとこに、誰が集まるんですか?
こんな空間が世の中にはごまんとあります。

 

「多目的」という言葉は逃げ

この言葉を使っている空間は基本的に「逃げ」の空間であることが多いです。

 

誰になんの目的でつくるのか、不明確のままつくられてしまったからです。

 

だから、「多世代が多目的に使えるスペース」なんてよくわからないスペースができてしまうのです。

 

こういうのは、たいてい公的機関が絡むと出来てしまいます。

 

要はおじいさん、おばあさんの意見も聞いて、子育てママの意見も聞いて、とか言っていろいろな人の意見を取り入れて収拾がつかなくなってしまったんです。

 

トップダウンでコンセプトをつくる

おもしろい空間は基本的にトップダウンでつくられると僕は思ってます。

 

少なくともコンセプトはトップダウンの方が良い。

 

たとえば

 

LEGOとコラボして、レゴで遊べる学べる子育て空間」

 

「ロードバイク好きの人が集まり、ロードバイクのメンテナンスもできるコミュニティスペース」

 

「鉄板焼き屋にあるようなどデカイ鉄板があって、料理ができる集会所」

 

をつくろうと、えいやっで決めてしまった方がはるかにいいものができると思います。

 

こんなこと、住民と合意形成していく中で、できるわけありません。

でも、こっちの方がなんだかワクワクしてこないですか?

 

 

抽象度の高いものは合意形成するな!

住民と合意形成を行おうと思ったら、コンセプトのような抽象度の高いものではなくて具体的なもので合意形成するべきです。

 

たとえば、その空間の作り方やどのような運営を望むか。といった具体的なことの方が合意形成の意味があるし、議論しやすい。

 

空間設計も運営も基本プロがベースをつくった方が良いですが、地域の具体の声を聞くなかで、そのプロが思いもよらなかった新たなものをつくれる可能性があります。

 

 

★★★★★★★★★★

ある空間をつくるときに、多目的とか多世代とか言ってた方がはるかに楽なんですよ。

ほぼ何も考えなくて良い。

 

それは行政などの公的機関の怠慢という面もありますが、そこに住む住民がそうさせている面もあります。

 

ただ、大多数の意見を聞いていると、結果的に使われない空間、どこにでもある凡庸な空間になってしまうことが大半です。

 

責任とリスクを持って、空間のコンセプトは少人数で決めてしまった方が良い。

 

最近の日本はなんでもかんでも「みんなが」、「全員が」と言い過ぎなんです。

 

もっと尖っててコンセプトが明確で面白い場があると、まちはとても面白くなると思うのに。