ものまちぐらし

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設計事務所で働く、都市計画コンサルタント兼一級建築士。まちづくりのことや激務の中でのちょっとした生活の楽しみについて書いてます。

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リノベーション会社が都市計画を本気でやるようになったら。

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最近のぼくの中で、最も気になったのは、この会社が設立されたこと。

 

www.semicolon.co.jp

 

この会社の理念がとても共感できたので、そのまま引用。

株式会社セミコロンは、これからの日本の都市経営課題の解決をミッションとするシンクタンク&プロデュースファッションとして2017年に設立されました。

地方都市は今、その所有の発達に向けて多くの課題を抱えて苦悩しています。これまでの成長時代の発想や経験則からその解決の道筋や突破口を見出すことは難あり、根本的に新しいタイプの都市マネジメントの発想・アプローチが必要です。

セミコロンの設立に向けて集結したメンバーたちはこれまでに、公民連携事業の推進、遊休不動産の再生、戦略的な都市ビションの立案、公共空間の活用・運営、地域起業のエグゼクティブプログラム、インキュベーション、メディア運営を通じた情報発信や人材と空間のマッチング事業など、都市地域の再生に向けた実績を積重ねてきました。

それらのボトムアップ型の実践を通じて得た経験とネットワークをふまえ、ある都市地域全体(あることは自治体)の経営戦略とその実行へと昇華させていますがこれからそこからの日本で求められる大きなテーマであり私たちの使命であると考えています。これまでに多くの議論を積重ね、その道筋を描いてゆける、確信した今ここ、それを社会に実装しています時とある考え、私たちはここに集結しますしました。

私たちは、言葉だけのコンセプトメイキングやハードに閉ざされた空間デザイン、持ち出し発展のエンジンを伴わないPR活動といったものは行っていません。長期的・自律的に都市の価値と持久性を担保するために必要な本質的な計画とアクションを、場の運営、事業の立ち上げや投資まで、複合的に行ってまいります。

ハードも人も産業も文化も含めて、 "今あるもの"の値を独自の視点から読み解き、再編集して活かしていますリノベーションの発想と価値観が私たちの根本にあります。

 

それが都市が持っている独自の強み・ポテンシャルを見定め、そこから新しい産業戦略、生活環境の魅力を上げる都市空間デザイン、パブリックスペース・パブリック施設・創造的な発明、変革について人材戦略、社会システムを支える制度のアップデートまで含めた統一的な視点や手法を組み合わせた都市再生ストーリーを紡ぎ、実行しています。

出典:都市経営 | 都市再生 |株式会社セミコロン

 

多少、誤字脱字が気になるし、全然スタッフとかまだまだいないし、とても会社として動ける状態ではないのかなと思ってしまうが、言っていることは、本当に共感できる。

 

会社のメンバーも超豪華。

 

 

「リノベーションまちづくり」の清水義次さん

 

 

建設省国交省たたき上げの佐々木晶二さん

 

リノベ界隈では、もうおなじみの面々。

馬場正尊さん

 

 

西村浩さん

明石卓巳さん

 

 

大島芳彦さん

林厚見さん

吉里裕也さん

青木純さん

 

 

嶋田洋平さん

 

 

宮崎晃吉さん

 

 

そして、都市経営的な部分で

木下斉さん

 

※代表著作があり、僕が読んでみておすすめの場合のみ、本のリンクを載せてます。

 

すごい顔ぶれ・・・この面々、たぶん全く動けないのだろうな。

ここで最初に働くことになるスタッフ、この豪華面々の中でしごかれ、めちゃ勉強になるぶん、すっごい大変だと思う笑 実質その人がめちゃくちゃ動くことになるのだろう。

個人的にここで働くことにすごく興味はあるが。。。あと3、4年会社設立が遅ければ、スタッフ応募してたかも。

 

 

さて、この会社の何に共有したのか?というところですよね。

 

都市計画には実行力が求められている

まずは、これです。

ぼくがずっと都市計画を生業にして、働いてきたから、嫌という程実感しています。

 

ぼくは今、都市計画は本当に必要かと問われるほど、その存在意義を大きく疑われている時期にきていると思っています。

というのも、基本的に絵に描いた餅になることが多いから。

自治体のマスタープランを見てみてもそう。

 

基本的にできること、すでに計画にあることばかりを書くか、できなさそうなことは「ふわっと」、当たり障りのないように書いて、どうとでも捉えられるようなことを書いてあるようなマスタープランばかり。

仮に少し尖ったことを書いたにしても、その後のPDCAサイクルが十分に機能していないため、言いっ放しで終わっていることが、本当に多いんです。

 

なんでこうなるかと言うと、マスタープランをつくっている自治体も、マスタープランの作成を請け負うコンサルも、実行力に乏しいから。

 

たとえば、この街を「子育て世帯に優しい街」にして、子育て世帯を増やします!みたいなことをマスタープランに書いたとしましょう。

でも、そこでできるのって、何の変哲も無い保育園を増やしたり、イオンをつくったりといった、そういうことばかりなんですよね。

けれど、そんなのってどこの自治体でもできるじゃないですか。

本当に子育て世帯を増やしたかったら、もっとターゲットを絞って、本当に人を惹きつける、他の街にはない場をつくったり、施策をつくったりしないといけない。

でも、そういう実行力に乏しいのです。

 

そういう意味では、このセミコロンという会社のメンバーは、少なくとも「他の街にはない場」をつくっている「実績」があります。

こういう実績、経験のある人たちが都市計画にまで手を伸ばすことで、これまでにない都市計画をつくってくれる気がしています。

 

リノベーションしているだけでは街は、日本は変わらない

一方で、リノベーションしている、場をつくっている。そんなことだけをしていても街や日本は変わらない。

そんな想いもきっとあったのだと思います。

やはり、1つの場、点だけで、その街を変えることは無理があります。

 

また、1つの点をつくるにしても、エリア的に考え、より広い範囲、面的に考えて、ブランディングされたものをつくる方が、その点の価値自体もより高められます。

 

さらに言えば、その点づくりを行なうために、より上位の都市計画を考える段階からその街に入り込むということもできるようになります。要は本業の場づくりを行うための布石、種まきもできる。

 

そんなことも見据えて、この会社つくったのでしょうね。

ただ、どういう風に仕事を割り振るのだろう。この人たち。生業としては、割とライバル関係にある人もいるだろうに。

 

建築だけでなく、経営、ブランディング、プロモーション、メディア・・・総合力が必要

あと、建築家だけを集めてないのも、この会社面白いですよね。

政経験豊富な方や、経営について考えられる方、ブランディングやプロモーション、メディア戦略に長けている方など、色々といます。

 

もうね、建築だけでどうにかなる時代でも無いし、建築事務所やコンサルはこういった総合力をつけて、戦うべきなんですよね。

 

けど、世の中には、全然旧態依然として、変われていない設計事務所やコンサルばかり。

本当に、この会社の設立を知って、ぼくは危機感を感じました。

 

 

★★★

この会社、今後の動向、要チェックやで!

 

そんな感じ!

それではっ!

新米パパから見た建築・まちづくりに対する嘆き(主に東京)

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子供が産まれて、そろそろ1年。

本当にこの1年は価値観を大きく揺るがす1年でした。価値観を揺さぶられすぎて、色々と疲れてる、、、

 

そんな中でも、ずっと建築やまちづくりに関わるぼくとしては、どうしても気になるのは建築やまち。

 

世の中、こんなにも子どもに優しくない設えなのか、、、と至るところで思ってしまいます。

 

今回はそんな新米パパから見て、ちょっと街のこんなところどうなの?って改めて思ったところを備忘録的にまとめてみたいと思います。

 

 

電車のすき間

まずはこれな。

やっぱり日本の電車ってホームと電車のすき間大きいですよね。ほんと。

ぼくが大好きなドイツでは、電車に自転車が乗ることもあれば、車いす利用者がすいすいと一人でそこらじゅうに出歩いているバリアフリー大国なので、こんなすき間は一切なかった。

この隙間が大きいせいで、ベビーカーで電車乗るとき結構怖いんですよね。

 

それに、意外と皆さん冷たくて、ベビーカーのために車内の場所を空けてくれないんですよね。奥に行ってもらえれば、余裕でベビーカーが入るスペースはできるはずなのに、意外と入口付近でとどまる。そうなると、結構ベビーカーで入るのが躊躇われるんですよね。これはまあ、電車のすき間と関係ないですが、そんなことを電車に乗るときに思うわけです。

 

 

エレベーター

ベビーカーを利用するうえで、エレベーターは必須!

子供がいないときは、エレベーターなんてほぼ乗りもしないで、エスカレーターや階段使ってたから気づかなかったけど、駅によってエレベーターへの導線がくそめんどくさかったりするんですよね。

7番線まであるけど、1番線にしかエレベーターないとかね。(西武池袋線池袋駅の例)

 

あと、ベビーカー使っている方々は概ねエレベーター使うので、エレベーター前にベビーカー渋滞ができるんですよね。ほんとに少子化?と思うくらい渋滞するときがあるからびっくり。

そんで、その中にいやお前歩けるだろ!って感じのおっさん、おばちゃんが紛れ込んでいたりすると無性に腹立つんですよ、これまた。

 

 

歩道せまっ!

東京に住んでいるせいもあるけど、ほんと歩道が狭い!てか、歩道すらない場合も多い。

まちづくりに関わる中で、とあるまちで、よくその街のお母様方から「この街は歩道が広くていい」とか「歩車分離してて安心」とか、そんな意見を聞くこともあったんですが、その意味が身に染みて実感できました。

やっぱ、歩道大事!

 

難しいのは、歩道が広くて、小綺麗だけだと、何だかニュータウン感がして、あんまり魅力的に見えないってとこ。

やっぱ下町の歩道すらほぼないけど、お店が密集してて、路上に少しお店のものがはみ出してるくらいが街として魅力的ですよねー(完全に個人の趣味嗜好ですが)

 

そこんとこのバランスが都市計画的には難しいですが、とにかく新米パパ的には歩道がせまっ!危なっ!って思うわけです。

 

 

ハイハイ自由にできる場所少なっ!

これももう少しして歩き出したら、ほぼ解決するんですが、ハイハイできる場所って本当にないんですよね。都内に。

あっても入場料などが高くて、わざわざそのために金払うのもなーとか思ったり、利用者が多くて、満足にハイハイできなかったりする、、

 

ハイハイの期間なんてほんの数ヶ月なので、そのための場所をつくるのは開発側としては、あまりメリットがないのは百も承知なのだけど、何とかならんものかなーと思うわけです。

 

まあ、この辺りはハイハイさせることが目的ではなく、他の主目的があって、その+αの要素としてハイハイがあるってくらいのつくりでないとできないですよね。

 

例えばこういうところとか。

 

oyakocafe-picnic.com

 

 

公園少なっ!

いや、正確に言うと公園は割とあるんですよ。

とってつけたような開発公園とかそこら中にある。

※開発公園とは?

⇒要は一定規模の建物の開発を行う際は、その開発をするところの土地の数%は公園にしないといけないことが法律に定められていて、それに則ってつくった公園を俗に「開発公園」って言うのだけど、嫌々つくった感じのものが多いんですよね。

 

だからか、そんな遊べる気がしない公園ばかりなんですよね。

遊具も少なかったり、ベンチも日が照りまくってて、ずっと座ってるのもキツかったり、、

魅力的な公園がなかなかないんです。

 

んで、ふと魅力的な公園ができるとこぞって、皆そこに集まるので、人が多すぎて行きにくいっていうね。南池袋公園とか本当にいい公園なんだけども、最近有名になってきて、人が多すぎて嫌になることが結構あるんですよね。

 (↓下の記事の時よりも最近はもっと混んでる・・・)

www.3bouz.com

 

 

家が狭い!

家がせめぇっす。

いや、そもそも狭い家しか住めないような、そんな経済力のぼくが悪いのだけど、本当に東京の家は狭い。

 

本当、ハイハイも思う存分にさせてあげられないんですよね。

まあ、まだハイハイはできても、これが歩き始めて、走りはじめたら、とても満足できるような規模の広さではない!

んで、もっと広い家に住みたいと思っても、都内の60㎡、70㎡、、程度の賃貸住宅って供給数が絶対少なくて、かなり家賃高いんですよね。

ぼくは全く分譲はいらないと思っている派なのですが、賃貸住宅がここまで魅力的でないと、分譲を買う人の気持ちもわからなくもないです。。

 

www.3bouz.com

 

と、まあ色々と嘆きましたが、父親になって、はじめてわかるまちや建築の良いところ、ダメなところってあるんだなーと。新たな視点を得られたなーと。最近そんな風に思います。

 

こういうこともわかった上で、建築やまちづくりの業界に関わっていきたいですね。

そんな感じ!

おしまいっ!

 

 

職能を広げる建築家から学ぶこと

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最近、若い建築家を中心に、建築家の職能を広げていく動きが随所に見られます。

もはや建築は、ただデザイン性の高い建物をつくるだけで終わりの時代ではなくなっているのです。

 

では、どんな風に建築家たちは職能を広げているのでしょうか?

建築分野の職種にいる方、あるいは進もうとしている方は、こういう方々の取り組みを少しでも理解しておくことで、自分の進むべき道が見えてくると思います。

 

ってことで、ちょっくら整理してみます。

 

 

馬場正尊

1968年佐賀県生まれ。建築家/Open A ltd.代表取締役東京R不動産ディレクター

早稲田大学理工学部建築学科卒業後、博報堂へ入社。博覧会やショールームの企画等に従事。その後早稲田大学大学院博士課程へ復学、建築とサブカルチャーをつなぐ雑誌『A』編集長を務める。2003年、建築設計事務所Open Aを設立。個人住宅の設計から商業施設のリノベーション・コンバージョン、都市計画まで幅広く手がける。東京R不動産では編集・制作面を担当し月間300万PVの人気サイトに育て上げる。東北芸術工科大学准教授を務めるほか、イベント・セミナー講師など多方面で活躍。『だから、僕らはこの働き方を選んだ 東京R不動産フリーエージェント・スタイル』(ダイヤモンド社)、『都市をリノベーション』(NTT出版)、『団地に住もう! 東京R不動産』(日経BP社)、『「新しい郊外」の家』(太田出版)、など著書多数

 出典:馬場正尊 / 建築家 世の中をよりよく変える仕事と働き方[前編] | WAVE+

 

言わずもがな、不動産サイトで知られる東京R不動産でディレクターをしている傍、Open Aという設計事務所で代表をやっている馬場さん。

 

彼は、設計以外にも東京R不動産というメディア業の方面で、職能を広げている建築家の一人です。

 

東京R不動産以上のメディアを抱えている建築家は、ぼくが知る限りいません。

東京R不動産は、立地と家賃だけで、判断されがちな世の中、多少不便だけどキラリと光る物件を紹介しているサイトです。

東京R不動産

 

こういうメディアを持っていると、たとえば多少古くて、不便な立地にあるけど、環境が豊かで、デザインも可愛らしい団地再生なんかと相性がよくて、自身のメディア力と設計力を掛け合わせて、団地再生の仕事をとってきたりしています。

 

たとえば、こういうプロジェクト

OpenA » 観月橋団地再生計画

京都「堀川団地再生プロジェクト」DIY実験住戸が完成!内覧会に行ってきた | スーモジャーナル - 住まい・暮らしのニュース・コラムサイト

 

団地再生の系の仕事って、割と実績が重視されがちで、なかなか新規に参入しづらい面があったりしますが、単なるリノベーション・設計業だけでなく、R不動産という一大不動産メディアを持っていた馬場さんだからこそ、こういう仕事も舞い込んできたのだと、ぼくは思います。

 

そんな馬場さんの本もオススメ!

 

 

 

大島芳彦

1970年東京都生まれ。1998年石本建築事務所入社。2000年よりブルースタジオにてリノベーションをテーマに建築設計、コンサルティングを展開。活動域はデザインに留まらず不動産流通、マーケティングブランディングなど多岐にわたる。大規模都市型コンバージョンや大規模団地再生プロジェクトなどを手掛ける一方で、エンドユーザー向けに物件探しからはじめる個人邸リノベーションサービスも多数展開。近年では地域再生コンサルティング、講演活動で全国各地に足を運ぶ。リノベーションスクールでの実績により「日本建築学会賞教育賞」を受賞。

出典:大島 芳彦 | リノベーションスクール@北九州

 

大島さんは建築設計の他にも、自らも大家もやるなど、不動産流通にも手を伸ばしています。

また、自社にメディア専門の舞台もあるなど、メディア力にも長けている。

というのも、ブルースタジオの社長の大地山さんがもともと広告・デザイン業界の出身で、そういう面に長けているから。

というか、こんなにブルースタジオの顔として、出ている大島さんが社長ではなかったってご存知でしたか?意外に思われる方も多いようです。

 

また、プロフェッショナルにも取り上げられてましたが、最近では、建物のリノベーションだけでなく、まちのリノベーションにも手を伸ばしています。 

www.bluestudio.jp

 

最近は色々な地域でリノベーションスクールが開催されていますが、どこにでもいるよね、この人。大島さんは3人いるという噂がまことしやかに囁かれているとか、いないとか。

 

自分でもリスクをとって、事業を起こしていたりするので、本当に建築家?というくらい色々なことをしています。

 

 

これなんか、鹿児島県鹿屋市で廃校を買って、リノベするそう。リスク高いことすんなー。まじすごい。

 

そんな大島さんですが、こちらの本は彼の考えの一端が知れるかも!

 

 

 

藤村龍至

1976年東京生まれ。2008年東京工業大学大学院博士課程単位取得退学。2005年より藤村龍至建築設計事務所(現RFA)主宰。2010年より東洋大学専任講師。2016年より東京藝術大学准教授。建築設計やその教育、批評に加え、公共施設の老朽化と 財政問題を背景とした住民参加型のシティマネジメントや、日本列島の将来像の提言など、広く社会に開かれたプロジェ クトも展開している。

主な建築作品に「OM TERRACE」(2017)「鶴ヶ島太陽光発電所環境教育施設」(2014)「APARTMENT N」(2014)「家の家」(2012)「小屋の家」(2011)「倉庫の家」(2011)「東京郊外の家」(2009)「BUILDING K」(2008)。

 出典:RFA | RFA

 

藤村さんはNHKの「ニッポンのジレンマ」等、メディアにも割と出ていたり、とにかくtwitterの投稿が多いので、いろいろとお考えを知れる機会が多いのだけど、本当にこの人の考え方、思考は色々と参考になるし、刺激になります。

 

正直、藤村さんの建築自体はあまり好きでないものが多いのですが、彼がやっている鶴ヶ島プロジェクトアーバンデザインセンター大宮などはとても参考になるものです。

 

建築だけでなく、都市計画・まちづくりの分野にも手を広げ、またその都市計画を行う上でのスキーム、プロセスはまさに東京工業大学社会工学(都市計画等を学ぶ専攻)から建築に進んだ彼自身の歩みからくるものです。

 

彼ほどに、住民の合意形成プロセス等、まちづくりの進め方等について体系立ててまとめている建築家はいないので、一度本を読んでみることをおすすめします。

 

 

 

 

西村浩

1967年佐賀県生まれ。東京大学工学部土木工学科卒業、東京大学大学院工学系研究科修士課程修了後、1999年にワークヴィジョンズ一級建築士事務所を設立。土木出身ながら建築の世界で独立し、現在は、都市再生戦略の立案からはじまり、建築・リノベーション・土木分野の企画・設計に加えて、まちづくりのディレクションからコワーキングスペースの運営までを意欲的に実践する。
日本建築学会賞(作品)、土木学会デザイン賞、BCS賞、ブルネル賞、アルカシア建築賞、公共建築賞 他多数受賞。2009年に竣工した、北海道岩見沢市の「岩見沢複合駅舎」は、2009年度グッドデザイン賞大賞を受賞。

出典:西村 浩 | リノベーションスクール@北九州

 

西村さんを一躍有名にしたのは、なんと言ってもこの事例でしょう。

www.g-mark.org

 

これは何もかっこいいコンテナをつくったからいいというわけではありません。

なんの変哲も無い駐車場や空き地を市民と一緒に原っぱにして、そのなかの1つのコンテンツとしてコンテナを置き、まちに賑わいを取り戻したというもの。

詳しくは以下の記事やそのほかググってほしいのだけど、これ佐賀市の社会実験で行っているところがまたすごい。佐賀市という行政を巻き込んで、結構お金も出せているんですよね。それに自分でも色々とリスクをとっている。

www.g-mark.org

行政をなぜ巻き込めたかというと、このコンテナを設置する前に、「街なか再生計画」という上位計画づくりに西村さんは関わっているんですよね。そこにすでにコンテナ活用を位置付けてしまっているところが、元都市計画コンサルとしては面白いところだと思っています。

 

また、さらにリスクをとって、この地域一帯に不動産を持ち始めていて、

コンテナまた使って、こんなコワーキングスペースつくったり、

マチノシゴトバ COTOCO215 | 佐賀市呉服元町にあるコワーキングスペース&シェアオフィス

 

その隣に、こんなものもつくっちゃったり、

ON THE ROOF - creative complex | creative complex

 

もはや不動産屋さんですよ。建築家ですよ?この方。

 

西村さんの本は、とくにないので、色々とネット記事漁ってみてくださいな。

彼の取り組みは本当に面白いです。

 

谷尻誠

1974年広島県生まれ。94年穴吹デザイン専門学校卒業後、設計事務所勤務を経て、2000年建築設計事務所Suppose design office設立。建築をベースとして、新しい考え方や、新しい建もの、新しい関係を発見し、常に目の前にある状況で、見つけることが可能な新しさを提案し続けている。現在、穴吹デザイン専門学校非常勤講師、広島女学院大学 客員教授を務める。 

出典:谷尻誠インタビュー | デザイン家具のDIYキット販売 MaKeT(マケット)

 

最後はこの人。ファッションやらインテリアやら自転車やら、建築以外でも最近色々なメディアに出てますよね。

最近では不動産業をはじめたり、飲食業もはじめたりしています。

architecturephoto.net

world-architects.blogspot.jp

 

彼の建築やリノベーション物件は、どれもセンスがよくて、僕も好きなのですが、そのデザインセンスもさることながら、こうして建築以外の分野にも手広く幅を広げているのは、今後の建築家の生き方として、とても参考になりますよね。

 

また、どこぞこの有名建築家に師事していたわけではなく、専門学校の出身からここまで著名な建築家になったのは、本当にすごい。頭がさがる思いです。

 

そんな谷尻さんのセンスを感じたい方は、こちらの本をどうぞ。

 

 

 

 

★★

こういうアトリエ事務所の建築家の動きをみて、大手〜中堅の設計事務所コンサルタント事務所にいる方々は、自分たちは関係ないやと思っていたら、大間違いです。

いい加減、TVのコメンテーター的な仕事に満足していて、いいのですか?とぼくは問いたい。

これまで通りに、実践を伴わない、何かの本で聞きかじった知識や事例集めで満足していると、こんなことを言われてしまいます。

toyokeizai.net

 

 今後、生き残るのコンサルや建築家は、「実践」し、そこでの経験を「蓄積」「検証」し、それをコンサルや自身の設計に活かしたり、つなげたりすることが大切なんだと、強く思います。

 

そんな感じ!

それではっ!

 

先週・先々週(2017年4月10日〜4月23日)気になった建築・まちづくり系の記事

シリーズ化しようと思っていたこちらの記事。

さっそく、先週・先々週の分をまとめるのをすっかり怠っていました。いかんいかん。

 

ってことで、まとめちゃいます!

 

オフィスは開く時代!

オフィスを開くことで、その事務所のファンも少なからず増えることになりそう。

働き手も、もっともっと楽しく働けるようになりそうだし、こういうオフィスで働きたいなー

 

 

一級建築士の試験にも役立つかも!楽しんで勉強できそうな数冊!

 

ここら辺は、まずは建築にとっかかりを持つ上で、または一級建築士試験の勉強の手始めとして、読んどいて損はないかも!

 

 

公共空間の利活用をする人は必見!

 

 

いろいろと公共空間の利活用がはじまっています。

もっともっと、この輪が広がればいいし、僕自身も関わっていきたいなー

 

 

まちづくりを行っていく上では、ブランディング力ってすごく大事

ムービーやら、サイトの見せ方やら、広報の仕方など、ブランディング力が高いなーと思いました。

一回こちらのサイトを見てみてください。行きたくなりますよー!広島だけど。

STOREHOUSE 〜みんなでつくるまち〜/ストアハウス・広島県福山市・イベント・マルシェ・秋・夏・まつり情報

 

 

相変わらず、動く建築にとても興味関心があります

動く建築はここ数十年で、もっともっと盛り上がるはず!てか、盛り上がって欲しい!

働き方や暮らし方、生き方、いろいろなことを考えさせてくれる「動く建築」の動向は今後も要チェックです!

 

 

気になる官民連携の取り組みをピックアップ

 

 

 

今回はこんな感じでした!

それでは、また来週!

 

今週(2017年4月3日〜4月9日)気になった建築・まちづくり系の記事

前回からはじめたこの企画。

 

www.3bouz.com

 

とりあえず、今週分を早速ピックアップしていきます。

 

隅田川沿いでの社会実験が激アツ!

 

 

震災リスクを踏まえて居住地考えたいけど、え?どこに住めばいいの?

やっぱりイースト東京は危険。すごくいい街が多いけど。

子どもが小さいうちは住みにくいなー

 

ただ、広域幹線道路や広域避難所までが近けりゃ、大丈夫だと思うが、家賃が高くなるんだよね!

 

 

スポンジ化!今後の都市計画のキーワードになるだろうね

 

 

やっぱ建築に求められているのはモビリティ!

 

 

 

建築家だってこんなに職能を広げているのだから、コンサルも!

 

 

柏の葉T-SITEついにできたね!

 

 

まちづくりをしていく上で、必ず疑問に思う行政の組織体制について

 

 

 

 

シェアハウスは一度住んでみてよ

シェアハウスに住むメリット・デメリットは以下の記事でまとめてます。

 

www.3bouz.com

 

 

今後のまちづくり(特に観光)は「フォトジェニック」さが大事!

 

 

震災復興の課題

復興が遅い!!と東日本大震災のとき、散々とメディアは叩いていたけど、まあこういう問題もあったんですよ。。。ほんと。。。 

 

 

ビッグデータ化がもっともっと進んで、効率的に働きたい

 

 

シェアオフィスの新たな展開を感じる!

 

 

 

駐車場の活用手法の新たな展開!

 駐車場の上部空間を活用しちゃおう!というこのフィル・パーク!

philpark.jp

 

今までは商業とかオフィスとか、住居だったりしたけど、ここにきて保育園!

すごくいいなーって思います。

 

 

簡単だけど、今週気になったのはこんな感じ!

 

それではっ!

まちづくりにおけるキーマンってどこにいるの?って話

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まちづくりに関わっていると、今の時代はハコモノを建てて終わり!って時代ではなく、そこをどう使うかが大事なんだ!

 

って話を、よく聞くことになります。

 

ただ、どう使うか?って話は出て、案も色々と出たりするんですが、「じゃあ、誰が?」って話になると、途端に議論が行き詰まります。

 

要は、その議論に参加している人には、そのハコモノを使って何かしてやろう!なんて人はいないわけです。ぼくも都市計画コンサル時代は、しょっちゅうそこで行き詰まっていて、つい「じゃあ、自分がやります!」なんて言いたくなってたんですが、会社の代表としてそこにいるわけだから、そんなことも言えず、、、

 

で、こうなってくると、今度は「住民に主体的に使ってもらおう」、「その中でキーマンを見つけよう」なんて話になるわけです。

キーマンってのは、そこを主体的に積極的に自分で使ったり、使う人をどんどん集めたり、、ってそんな人です。

 

でもね、それでキーマンを見つけられた試しをぼくは見たことがないんですよ。

大体、そんなキーマンなる能力の高い人を見つけ、かつその場を使いたい!と思わせられるように説得したり、交渉したり、巻き込んだり、、、そんなことができる、「キーマンなる人を見つけるキーマン」がまず必要だったりすることも結構あります。

 

けど、その「キーマンなる人を見つけるキーマン」ってのが、中々、行政やコンサルにはいないわけです。だって、自分でリスクきって、小さくてもいいから事業をしてみた人が組織内にいないのだから、、残念です。

 

ってことで、ぼくは取っ掛かりは民間企業がビジネスとして、そこの場の活用を図っていけるような土壌づくりをしていかないといけないと考えています。ゆくゆくは、住民の中からキーマンを見つける!ってのは良いと思いますし、理想的だと思います。

けど、取っ掛かりは民間企業が何とかする(させる)しかないと思っています。

 

じゃあ、どうするか?

 

建設会社等に運営する会社まで引っ張ってくるよう位置づける

まあ、PFIの一環ですね。

いわゆる、BTOBOT方式ってやつです。

 

BTO方式ってのは、(Build Transfer Operate=建設・移転・運営)のことで 、建設・資金調達を民間が担って、完成後は所有権を公共に移転し、その後は一定期間、運営を同一の民間に委ねる方式のことをさします。

 

また、BOT方式ってのは、(Build Operate Transfer=建設・運営・移転)のことで 、民間が施設を建設・維持管理・運営し、契約期間終了後に公共へ所有権を移転する方式のことをさします。

 

BOTの方が資産を民間が持ち続ける必要があるという点で、民間のリスクは高くなりますが、その分、民間が創意工夫して、新たなサービス、面白い運営をしてくれる可能性も高まります。

 

まあ、それはさておき、こんな手法を使いながら、何か施設を作る際は、施設を作ってもらう人(会社)に、その後の維持管理、運営まで任せられる人(会社)も連れてきてもらうことで、担い手を確保することがひとつ考えさせられます。

 

 

コンサル料の中に場の活用を位置づける

土地活用や事業者公募の際に、バックについているコンサルに対して、できた後の場の活用もコンサルの仕様内に位置付けてしまう、という方法もあるかもしれません。まあ、これはぼくの理想。

 

といのうも、コンサルはただただコンサルしているだけではいけないとぼくは思っています。

コンサルだって、好き勝手な土地利用方策を考えたり、事業者の公募条件を考えたりするだけでなく、実際に場の活用をしてみて、そこで得られた経験をまた次のコンサルに生かす、みたいなことをしていった方がいいんです。

 

ほとんどのコンサルは、政治経験のないTVのコメンテーター的な存在になりつつあるんですよね。けど視聴者的にはそこらへんの言葉の薄さだったり、上辺感にほとほと嫌気がさしていたりして、一方で、政治経験のある橋下徹などの言葉に「ほぉー」ってするわけですよね。

 

ただ、こういうコンサルに場の活用まで位置付けるなんてことになったら、委託期間がめちゃくちゃ長くなるから、なかなかできないと思うんですけどね。そういう意味で、ぼくの理想。

 

 

行政が自らやる

1番手っ取り早いのは、キーマン言ってるのではなく、行政が自らやってしまうことです。

 

ただ、やはり行政が場の運営をしようとすると、途端にかたっ苦しくなるので、そこがネック。場の運営というところだけで、何か業務委託をしてしまうのが、いいかもしれませんが、そこにどれだけの委託料を予算として確保でき、どの程度の継続性を担保できるか?ってところが課題ですね。

 

キーマンなんて、なかなかいないんですよね。

すぐキーマン言う人は、ぼくの経験上、あまり信頼しない方がいいです。

 

とは言っても、じゃあどうするか?ってところは非常に難しい問題なのもまた事実。

まあ、やはりまずは民間とのコラボをどう考えるか?が大事だと思います。

 

それではっ!

 

今週(2017年3月27日〜4月2日)気になった建築・まちづくり系の記事

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今週もいろいろなことがありましたね。

 

今度から、その1週間でぼくが気になった記事を総まとめしようと考えています。

 

というのも、ぼくが気になった記事を再度思い出し、まとめることで「ぼくの知識」がより定着するためです。はい、完全に自分のため。

 

まあ、自分のためなんですが、総まとめすることで、今週建築やまちづくり業界ではこんなことがあったんだーとか、こんな面白い建築やまちづくりの事例があるんだーとか、そんなことを読んでくれた人が思ってくれたらいいな、という気持ちでもまとめています。

 

ということで、早速今週ぼくが気になった記事はこんな感じです。

 

コンサルの仕事もどんどん奪われてくよね!

 

はい。この記事ですね。

AIとかビッグデータ化とか、そんなんにやっぱり興味はあります。

単純作業系の仕事が奪われていくように言われてますが、国交省自治体からの受託が多い都市計画やまちづくりのコンサルってAIが出来たら、仕事の3割は奪われると思うので、結構危ないと思うんですよね。

 

というのも、国交省自治体からのお仕事って、まずは「前例を探す」という作業がどうしてもあるんですよね。要は「事例収集」。

 

あとは、仕事の内容によっては国勢調査や住宅・土地統計調査など、公に出されているデータをつかった「データ分析」。これも多い。

 

でも、この「事例収集」と「データ分析」ってAIが進化したり、しっかりと全国的にビッグデータ化したら、コンサルが担ってた仕事、必要なくなりますよね。

 

これとか、公園の情報をオープンデータ化してますが、たとえば再開発の情報をオープンデータ化されたり、商店街活性化の情報をオープンデータ化されたりしたら、コンサルがわざわざ事例とか集めなくてもよくなりますよね。(商店街活性化なんかはすでにオープンデータ化されてはいますが、より精度が高かったり、補助金使っていたりするから、成功してるっぽく書かれているところに問題あり)

 

国交省でも生産性革命の推進の一環としてAIやビッグデータ化について議論し始めているしなー。コンサルは別の生きる道を考えていかないとあかん。

 

豊洲問題!

これ、「移転すべき」37%と強調されてますが、ぼくは「どちらとも言えない」が41%の方が気になりました。たぶん行政側もこっちの数字の方が気になると思います。

 

まちづくりに関わっていても、ほんと少数(住民の10%にも満たないんでないの?って感じる)の意見をくみとろうとして、面白みのない結果に収束するってのはよくありますからね。この41%は結構でかいです。

 

この座談会は必見ですよ

リノベーションに関わるお三方による座談会。

現状の規制についてやりにくい点などについて、語っていて、いろいろとタメになりますよ。

 

技術が進歩してくると、まちづくりの特にソフト面での取り組みがより面白くなりそう

なんて、思ったのはこちらの記事たちですねー

 

きっともっと面白い取り組みが出来てくんだろうなー

アンテナいっぱい張って、この手の事例はいろいろと知っておいた方がいいなーと思う次第です。

 

本当に安全と安心を一緒くたにして使っている計画は多い

この記事見て、ちょっとぎくっとした。

本当にどこの計画でも「安全安心」ってよく使うし、聞くから。

気をつけよう。。。 

 

やっぱ建築ってモビリティ性ってのがどんどん重視されていくと思うんだ

 

自動運転車になったら、より車内の快適性を考えるようになる。

だから、車って建築みたくなるのかなーなんて思うわけですよ。

てか、もうそろそろトレーラーハウスとか、流行りだすと思うんですよね。

 

自動運転とまちづくりについては、こちらの記事でも書いてます。

 

www.3bouz.com

 

各鉄道のリノベーションの取り組みはチェックした方がいいと思います

京急工務店のルーヴィスとタッグ組んでますね。

他の鉄道会社もリノベーション会社とそれぞれタッグを組んでいるので、それぞれどういう取り組みをしていくかは注視したいところです。

 

景観形成って本当に大変

 

なぜ、楽しみでもあり不安なのか?ツイートしてます。

 

ここに行きたい

今週のここに行きたい場所はこちらですね。

 

 

 

原広司の小難しい話を簡単に図解してくれている!超チェック!

 ちなみに本はこちら。いちいち小難しいけど、おもしろいですよ。

 

と、まあこんな感じですかね。

 

来週もまとめたいと思います。そのためにはいっぱい気になった記事ツイートしなきゃ! 

 

それではっ!

まちづくりに関わる者全てが読んでおくべき「地方創生大全」(木下斉 著)

 

相変わらず、ズバズバと現状のまちづくりの現場の問題を切っていく語り口は爽快!とともに、コンサルタントのぼくは、木下さんの言うような「名ばかりコンサルタント」にならないように気をつけたいものです。

 

はい。

この、地方創生大全という本。

これは、まちづくりに関わる人には是非とも読んで欲しい。

というか、新入社員はまずこれ読んで!

 

 

木下 斉とは?

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一般社団法人エリア・イノベーション・アライアンス 代表理事内閣官房 地域活性化伝道師、熊本城東マネジメント株式会社代表取締役、一般社団法人公民連携事業機構 理事。
早稲田大学政治経済学部政治学科卒業、一橋大学大学院商学研究科修士課程修了、経営学修士。専門は経営を軸に置いた中心市街地活性化、社会起業等。

2000年、高校時代に全国商店街の共同出資会社である商店街ネットワークを設立社長に就任し、地域活性化に繋がる各種事業開発、関連省庁・企業と連携した各種研究事業を立ち上げる。この時期よりブログ「経営からの地域再生・都市再生 ( http://blog.revitalization.jp )」を開始。その後、大学に進学し、経済産業研究所リサーチ・アシスタントや東京財団のリサーチ・アソシエイト等を兼務。2008年より熊本市を皮切りに地方都市中心部における地区経営プログラムの全国展開を開始。事業による地域活性化を目指す全国各地のまちづくり会社、商店街と共に2009年に一般社団法人エリア・イノベーション・アライアンス設立。2010年には内閣府政策調査員を務めるなど、政策立案にも取り組み、2012年からエリア・イノベーション・レビュー( http://air.areaia.jp/ )を毎週発行し、必要な政策提言や失敗事例集などの発表を行っている。さらに2013年からは公民連携事業機構を発足、2015年から公民連携プロフェッショナルスクールを開始している。

■主な役職
一般社団法人エリア・イノベーション・アライアンス 代表理事
一般社団法人公民連携事業機構 理事
熊本城東マネジメント株式会社 代表取締役
勝川エリア・アセット・マネジメント株式会社 取締役

■アドバイザー/委員等
内閣官房 ふるさとづくり有識者会議
内閣官房 地域活性化伝道師
総務省 地域人材ネットメンバー
経済産業省コミュニティ・プロデューサー
都市機構 まちづくり専門家
財団法人地域活性化センター 地域づくり人材データバンク
など

 引用:Amazon.co.jp: 木下 斉:作品一覧、著者略歴

 

まちを「経営」という視点でとらえ、様々な提言をされている方です。

建築出身のぼくは、この「経営」という観点が弱く、いつもこの人の話は勉強させられるとともに、実際にまちづくりに関わっている者としては、耳が痛い話をしてくれる方です。

 

さて、そんな方が書かれた、この「地方創生大全」

どんな話なんでしょうか?

 

 

本の内容

本書ではざっくりいうと、以下の5つの視点から地域の構造問題について整理されています。

 

①ネタの選び方

地域での取り組みが失敗する要因としては、まずはこれ!

最初から取り組む「ネタ」が間違っているんです!(本書ではB級グルメゆるキャラなどを例に挙げていました)

 

また、成功したとしても、いろいろなところから視察(しかもタダで!)に訪れられて、そこで疲弊して、どんどん取り組みが衰退していくという、笑えない事例も紹介されていたりします。

 

一過性の注目を集めるのではなく、

・地味でも着実に積み上げること

・地元経済の現実と改善にしっかりと向き合うこと(補助金に既存した無理な収支計画を立てない)

・つくる前に営業をすること

・トライ・アンド・エラーを繰り返し、軌道修正を適宜図っていくこと

・自ら情報発信して、関係ない人から疲弊させられないこと

 

などが必要だとまとめられていました。

 

②モノの使い方

地方では、本当にそれ必要?ってくらいの規模の建物を補助金使ってつくられたりしていて、全く初期投資が回収されないような計画になっています。

まず、これどうにかしないとね!ってことが本書では書かれてます。

 

これについては

・民間の力を適切に使うこと

市場経済のルールにのっとって稼ぐことを考えること(イニシャル、ランニングコストとコンテンツによる売り上げとのバランスを考える)

・小さくはじめて、少しずつ大きくしていくこと

 

などが必要だとまとめられています。

 

③ヒトのとらえ方

もうね、人口減少なんですよ。世の中。

なのに、どこのまちも「人口増!子育て世帯増!」とか言ってるわけです。

それは、この仕事してて、本当にどこのまちも言ってます。

人口を増加させるということは、それだけの人たちを食べさせられる産業をつくることが必要であり、さらに言えば、その産業を担う人材を増加させるということを本来的に議論しないといけないんです。

 

また、「交流人口」、要はそこには住んでないけど、観光しに来たり、買い物来たり、イベントに参加したりっていう、訪れる人の数を増やそう!って話も、実際は訪れる人の数よりも、まちでその人たちがどれだけ消費してくれるか?という視点の方が大事なわけです。

 

なので、人口減少しようが、

・人口減少を前提とした取り組みを考え、生産性を向上させる

・人を集めるというか、いかに消費させるかを考える

 

なんてことを考えよう!と本書では書かれています。

ぼくがこの話で思い出したのは、「創造的過疎!」と言っている徳島県神山町

tokushima-iju.jp

 

ワーク・イン・レジデンスなる取り組みをされていて、以下のようなことをキーマンである大南さんがおっしゃっています。

神山町の将来にとって必要と思われる業種・職種の働き手を「逆指名」するというシステムになります。地域に足りない業種や職種の人を募集すれば、移住してくる人、受け入れる地域の人、どちらにもメリットがあるでしょう。町に足りない職能を持つ人を呼び込むことで、能動的に地域のデザインをすることができるわけです。この試みからカフェやベーカリー、歯科医や靴屋などが誕生したおかげで、地域にも活気が出てきたと感じています。

 

引用:“創造的過疎”から考える次世代の町づくり。 - 住んでみんで徳島で!

 

ただ、人口増!とか言うのではなく、そのまちの産業に必要な人を呼び込んでいく!という取り組みは本当に面白いです。

 

④カネの流れの見方

本書では以下のように書かれてます。

そもそも地域政策は、再分配政策の一環として政治的・行政的に行われてきたものが多く、経済的な視点、経営的な視点が軽視されてきました。たとえば、国が50億円の支援をするものの、地方自身も50億円を負担し、その維持に毎年2億円の負担が30年続くといった事業が行われてしまいます。これでは、累計すると地方では60応援の赤字です。そのため、地方自治体が活性化事業をやればやるほど財政負担が増加するという状況を引き越してきました。

引用:地方創生大全

 

そのため、

・稼ぐ→投資→さらに稼ぐ→さらに投資の循環をつくること

・当初計画にこだわらず、撤退ポイントを事業開始前につくっておくこと

・稼ぐことと経費を削ることを徹底的にこだわること

 

なんてことが大事だと本書では述べられています。

 

⑤組織の活かし方

ほんとう、この「組織」ってのが1番やっかいです。

組織内には本当にいろいろな人がいるので、現場レベルでは面白いことを考えていたのに、次第に上から叩かれ、何も当たり障りない取り組みに収束していくということが、まちづくりをしているとよくあります。

 

ここでは、既存の組織を変化させることに労力割くより、「新たな組織」をつくっちゃえ!って言ってます。

 

実際その通りで、気の合う仲間たちだけで、新たに組織をつくり、そこで活動していった方が、意思決定もスムーズだし、機動力抜群なんですよね。

リノベーションスクールとかで、新たに「家守舎」が各地で出てきてますが、こういうことですよね。

 

 

★★★★★

さらっと概要をまとめましたが、本当に勉強になるし、思い当たる節がたくさんある内容になっている本書。

 

ぜひ、買って読んでみてください!

 

 

そんな感じっ!

それではっ!

 

パブリック・アライアンス・トークがおもしろい!第3回、「『官舎』『公共住宅』『病院』の可能性」を聞いてきた!

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ずっと行きたかったこれ!パブリック・アライアンス・トーク

ついに行ってきました。

 

え?何それ?って?

これはまちづくりに関わっている人は是非とも聞いて欲しい座談会ですよ!

 

●パブリック・アライアンス・トークとは?

日本全国に570兆円の公的不動産があると言われています。

今後の人口縮小社会では、膨大な公的不動産を活用して、まちを楽しくし、さらに稼ぎをつくって社会を支えていく新たな仕組みが必要です。その時には、行政の変化と共に、新たに公共資産を活用していく民間の変化も必要になってきています。
私たちは、官民連携や公民連携を意識し「稼ぐ公共資産」によって、まちを楽しくし、経済的価値と社会的価値を向上させ、より良い社会を作ることを目指しています。

行政では公的不動産(PRE)の利活用、PFI/PPPの推進などが叫ばれ、様々なアイデアや実践も増加しています。しかしながら、日本では都市経営分野に実績のあるビジネスプレーヤーの参入がまだまだ進んでいない現状があります。そこで、従来のまちづくりとは距離感のある、日本を代表するビジネスプレーヤーの皆さんに登壇して頂き、「私だったらこう膨大な公共資産を活用する」という勉強会を開催したいと考えております。

引用:パブリック・アライアンス・トーク 570兆円の公的不動産を楽しく、稼いで社会を変える | Peatix

 

レギュラーのパネリストである以下の3名を中心に毎回異なるゲストをよんで、官民連携による公共資産の活用について話し合います。

 

◯公共R不動産/東京R不動産 馬場正尊(ばば まさたか)
「リノベーション」「コンバージョン」と現在主流のキーワードになっていますが、10年以上前に「東京R不動産」という新しい視点で物件を紹介するWebサイトを立ち上げ、建物の再生、空間の再価値化の草分けとしてこの分野を牽引。株式会社オープン・エー代表/東北芸術工科大学教授/建築家/R不動産創設者。
 
◯一般社団法人公民連携事業機構、内閣官房地域活性化伝道師 木下斉(きのした ひとし)
経営によるまちづくりや再生事業に携わり、全国各地で補助金に頼らない自立的な民間主導行政参加型の先進的な事業を手がけてきた。人口減少時代に新たなまちづくりを切り拓くパイオニア。一般社団法人エリア・イノベーション・アライアンス代表理事など。

 

◯2017年 TRUNK(HOTEL)を開業 野尻佳孝(のじり よしたか)
ソーシャライジング (自分らしく無理せず等身大で社会的目的を持って生活すること)をコンセプトにした渋谷区神宮前に2017年春TRUNK(HOTEL)を開業予定。CSV戦略をいち早く日本に取り入れる。
株式会社テイクアンドギヴ・ニーズ代表取締役会長。

 

 

今回ぼくが聞いたのは、このお二人がゲストの回!

孫 泰蔵氏(そん たいぞう) Mistletoe 株式会社 代表取締役社⻑ 兼 CEO

1972年生まれ。佐賀県出身。東京大学在学中にYahoo! JAPANの立ち上げに参画。その後、インターネットのコンテンツ制作、サービス運営をサポートする会社を興す。2002年、ガンホー・オンライン・エンターテイメント株式会社を設立、デジタルエンターテインメントの世界で成功をおさめる。

その後も、様々なベンチャーの創業や海外企業との大型JVなど、ある時は創業者、ある時は経営陣の一人として、一貫してべ ンチャービジネスに従事した後、2009年に「2030年までにアジア版シリコンバレーベンチャー生態系をつくる」として、スタートアップのシードアクセラレーターMOVIDA JAPANを設立。2013年、単なる出資にとどまらない総合的なスタートアップ支援に加え、自らも事業創造を行うMistletoe株式会社を創業。21世紀の課題を解決し、世の中に大きなインパクトを与えるようなイノベーションを起こす活動を国内外で本格的に開始、ベンチャーの活躍が、豊かな社会創造につながることを目指している。

 

松田 公太氏(まつだ こうた ) 前参議院議員タリーズコーヒージャパン創業者

1968年生まれ。5歳から17歳までの大半を海外で過ごす。

90年筑波大学卒業後、三和銀行(現・三菱東京UFJ銀行)を経て、97年にタリーズコーヒー日本1号店を創業。翌年タリーズコーヒージャパン(株)設立。2001年株式上場を果たす(04年MBOにより非上場化)。300店舗超のチェーン店に育て上げ、07年同社社長を退任。同年、世界経済フォーラムダボス会議)にて「Young Global Leaders」の1人に選出される。08年、シンガポールへ拠点を移し、飲食事業を中心に数々のビジネスを手掛ける。09年 Eggs‘n Things (エッグスンシングス)の世界展開権(米国除く)を取得し、EGGS ‘N THINGSINTERNATIONAL HOLDINGS PTE. LTDをシンガポールに設立。日本では10年に原宿1号店をOPENさせ、「パンケーキブーム」の火付け役となった。

同年、参議院議員選挙で初当選(東京選挙区)。16年の議員任期満了後は、飲食事業の海外展開や自然エネルギーの事業など精力的に活動中。

 

以上の5名で、官舎・公共住宅・病院の官民連携の可能性について徹底討論していました。

 

もう、本当に刺激的で面白かった。

ということで、今回はこの5名が話していたことで気になった話をピックアップ !します。

 

タリーズ創業者 松田さんのお話

都心の一等地や好立地に出店していたスターバックスと戦うため、タリーズは別の戦場を見つけようとしたとのこと。

そこで、小さなスペースでも憩いの場所となるようなものを作ろうとしたそうです。

それは、カウンターにちょっと椅子があるくらいの場であったり、オフィスのロビーフロア内に席のないカフェをつくってみたり、日産のショールームに出してみたりと、当時のスタバが決して狙わないところに出店していったそうです。

 

そのような中、松田さんの弟がご病気で入院されたそうです。

その病院は、当初すごい雰囲気の悪く、病院内の食堂もとてもサービスの悪い食堂だったそう。

そういった環境に入院している弟に何退院したら何がしたいか、聞いたそうなんですが、弟さんは「マクドナルドに行きたい」と答えたそうです。

これが、何を意味しているのか?

 

松田さんはこうおっしゃっていました。

入院患者は、下界(一般社会、生活)から隔離され、暮らしており、非日常的な空間に押し込められている。そのため、下界と同じような環境を求めている傾向にある

 

そこで、松田さんは病院内にカフェをつくろうとされたようです。最初は弟さんが入院されていた病院にカフェを入れる交渉をしたら、「そんなチャラチャラしているものはダメ」と言われたようです。

 

で、なんやかんやあり、東京大学病院に無事に出店することができ、初日から行列ができたようです。最初はダメだと思っていたらしいですが、医者、看護師、患者、それぞれが分け隔てなく、平等に並んでいた光景がとても嬉しかったようです。

 

とても素敵な話なので、印象に残りました。

 

 

病院のリノベーション

さて、そんな松田さんの話があり、病院をリノベーションするとしたら、どんなものがあるだろう?なんて話がありました。

 

ここで、出てきた、宮原眼科の事例が面白かったので、紹介します。

matome.naver.jp

 

台湾にあるのですが、眼科をスイーツショップにリノベーションした事例です。

karenbookingstyle.com

 

一方で、他の用途を病院へとリノベーションするようなものはあるか?という話になりました。

やはり、バリアフリーだったり、色々な設備がある上で、なかなかそんな事例はないだろうとのこと。

ただ、ホテルは病院にリノベーションできる可能性があるのでは?という話が馬場さんの方からありました。

 

近い将来、病院はなくなる!?

これが面白かった。

孫さんは、2、30年先考えると、病院はなくなるのでは?と思っているらしいです。

 

具合の悪い患者を一箇所に集める今の病院というシステムはすごく傲慢だとさえ言ってました。

 

というのも、AIが進化すると、家にいながらにして、病院にいなくても最先端の医療を受けられるだろうとのこと。

実際にすでにこんなニュースが最近ありましたよね。

healthpress.jp

 

病院をどうするか?ということより、最先端の技術を駆使しながら、入院する以前の予防をどうクリエイティブに解決するか?という視点もこれからはより重視されるだろう、という話もありました。

 

 

官舎どうするか?

官舎の活用がなかなか進まないのは、最終的な決定権が、財務省の理財局にあるということ。

既存の官舎を活用するより、結局売った方が楽で売ったところは大体大手ディベのマンションになっているんです。

これは、団地に関しても言えますよね。

 

たとえば、URの一棟丸ごと団地リノベーションもこのルネッサンス計画以来、全くないです。住戸単位でのリノベーションはあるものの。。

www.ur-net.go.jp

 

なんで、この取り組みがこれ以上起きないかっていうと、やっぱり「売った方が楽だから」ってことに尽きると思います。

 

 

行政が民間に任せきるという勇気

Open Aが葛飾区柴又の女子寮をリノベして、ホテルにしました。

www.roomie.jp

 

ここで、よかったのは、葛飾区が基本的に民間に任せ切ってみたというところ。

固定家賃で、民間に貸し出し、あとは好きにしてくれという形で、リノベができたそうです。

 

ただ、固定家賃より売上に応じた変動賃料にした方が、自治体も一緒に自分ごととして考え、がんばるので、そっちの方がよかったのでは?なんて話もありました。

 

 

ポップアップコモンズという概念

ロンドンにあるこれ。まずはご覧ください。

miraie-future.net

 

2015年内に完成予定のサウスロンドンにある”pop brixton”は「地元のスタートアップ企業やスモールビジネス」の為に考案されたコミュニティキャンパスです。

そのpop brixtonは使われなくなった輸送用コンテナで構築され持続可能性と効率性を中心に、低コスト、低エネルギーを実現するコミュニティキャンパスとなっています。

引用:【コンテナ再利用】スタートアップ企業のコミュニティキャンパスがおしゃれ | THINK FUTURE

 

めっちゃかっこいいですよね。

 

これを参考に、孫さんは

ポップアップコモンズ(Popup Commons)という概念を打ち出しました。

oreoka.com

 

「いつでも好きなところに住める暮らし」を実現するために、家を運べるようにしたり、その他、移動しながら暮らすことができる仕組みをつくる「Living Anyware」というアイデアを、防災などに役立てていこうという内容

引用:福岡を世界一 Resilient(しなやか)な街へ!災害に強い、そんな街づくりを推進する Popup Commons Meetup が開催されました – OREOKA.COM

 

ポップアップストアなどで使われるコンテナを使って、移動可能な住居や商店などをつくり、町を形成して、もし、震災などにあったら、町ごと移動できるという仕組みになるというアイデアを「Popup Commons」と呼ぶようにしたそうです。

引用:福岡を世界一 Resilient(しなやか)な街へ!災害に強い、そんな街づくりを推進する Popup Commons Meetup が開催されました – OREOKA.COM 

 

めちゃめちゃおもしろそうですよね。

こういったことを、社会的意義を求めている傾向が強い、若い人たちの力を使って、やれたら面白いねーなんて話になりました。

 

 

総括

ってことで、今回のこの回の総括を馬場さんがしてくれました。

おっしゃっていたことは、だいたい以下のような感じ。

 

  • 非日常の中に日常が入り込むことによって人をハッピーにさせることができる。そのひとつの事例、突破口が東大病院でのタリーズ展開だった。

 

  • 小さくてもいいから、何かつくることで一状況を変えられることがある。

 

  • 病院がなくなる。

 

  • 20代は、社会的意義を求めている力が強い。彼らをこのよな官民連携に巻き込むためのフェスをやろう。

 

脈絡もなく、綴ってしまいましたが、あしからず。 

 

とにかく、この場に言っていろいろと聞いた方が、俄然面白いので、まちづくりに関わる人は、是非とも行ってもらいたいです。

 

そんな感じ!

それではっ!

 

ちなみに木下さんの本はおすすめですよ!

 

 

建築家の思考を覗け!これであなたも建築家だ!って感じのオススメ本

建築家って一体全体何を考えて、あんなかっちょえー建物をつくっているのか?

気になりませんか?

なりますよね。うん。なるなる。

 

これから、どっかの建築事務所にマイホームづくりを頼もうとしている人

 

まさに絶賛建築の勉強をしている学生さん

 

仕事をはじめてから、こういう本を読まなくなったという建築系の会社にいる社会人の方

 

そんな人たちに是非オススメしたい、建築家の思考を覗ける本をまとめてみます。

 

ちなみに、完全ぼくの好みです。

建築家の本というと、格式高い文章の本のイメージがある人もいると思いますが、ぼくがオススメする本はとても読みやすい本ばかりです。

安心して、読んでみてください。

 

 

内藤廣

内藤さんはぼくが大好きな建築家の1人です。

建築も好きなんですけど、彼の思想というか、考え方というか、言葉がいつも心に突き刺さるんですよね。

内藤廣建築設計事務所 | Naito Architect & Associates

 

そんな彼の思考が覗ける本はこちら。

 

 

 

藤村龍至

あ、ごめんなさい。

冒頭、ぼくがオススメする本は、読みやすい本ばかりと書きましたが、彼の本についてはよくわからないです。

わからないことはないんだけど、格式高めの文章になっています。

 

ただ、考え方としてはぼくは大好きな建築家の1人だし、設計に留まらず、元々東工大の都市計画系の学科にいた背景もある人なので、都市計画やまちづくりへ仕事を展開していっている点でいつも注目している建築家の1人です。

 

NHKの「日本のジレンマ」という番組にも、出ていたことがあって、大して建築を知らない素人のうちの妻も好きな建築家だったりします。

 

どーでもいいか。まあ、素人から見ても面白い建築家ということです。文章は小難しいけど。

RFA | RFA

 

そんな彼の思考が覗ける本はこちら。

 

 

中村拓志

学生のころに特に好きだった建築家の1人です。

有名な建物で言えば、東急プラザ原宿表参道の設計者ですね。

 

kinarino.jp

 

Hiroshi Nakamura & NAP

 

人が自然や建築と関わることで愛着が湧くようにデザインしているという彼の建築。

隈研吾事務所に勤めていたということもあり、彼の建築を見ると、自然を活かした建物が多くあるように思います。

ただ、隈さんとはまた異なる独自のデザインをしていて、単純にカッコいいです。

しかも、いつの間にか女優と結婚している!?ずるい!

 

ちなみに、どーでもいい話ですが、ぼくは、彼の作品の中でもこの徳島にあるワイナリーがとても自分好みです。

物語を届けるしごと » ゼロ・ウェイスト徳島県上勝町のブルワリー建築設計は中村拓志さん RISE & WIN Brewing

 

そんな彼の思考が覗ける本はこちら。

 

 

 

 

谷尻誠

経歴が面白い建築家です。

元々、専門学校出で、とくに有名建築家の弟子ってわけでもないのにここまで有名になっている建築家も珍しいのではないでしょうか。

business.nikkeibp.co.jp

 

また、彼がデザインした池袋のBOOK AND BEDはぼくも訪れましたが、かなりいい空間でした。

 

www.3bouz.com

広島・東京・建築設計事務所 SUPPOSE DESIGN OFFICE Co.,Ltd

 

 

そんな彼が、こんなことを言っていました。

谷尻:ずっとがっかりしていても仕方がありません。文章を書いたり講演したりする建築家の中には、僕には何を言っているか分からない人がいました。優秀な方なのでしょうが、メタファー(隠ゆ)で語る人もいて、周りには伝わりにくい。建築家は社会性を持った仕事なのに、難しいことばっかり言えば社会からどんどん離れていく。僕の方がもっと分かりやすく、建築のことを伝えることができるという自信があった。そこは、頭のいい人たちより僕の方が優れていると。

 海外のスポーツ会社の動きをみると、スポーツ人口のシェアを企業間で取り合うのではなく、スポーツ人口をもっと増やそうという思想があります。建築家たちの中には、自分はすごいだろうと力説するばかりで、建築好きを増やそうとする方は少ない。それなら、もっと建築好き増やしたり、建築を翻訳したりすることこそが、僕がやるべき仕事だと思ったのです。

出典:人と人が関わる「環境づくり」こそが建築家の役目に | NIKKEI DESIGN

 

もう、めっちゃわかる。

ぼくも、いろいろと楽しく、簡単に、おちゃらけて、都市計画やまちづくりのことを伝えていきたいといった思いがあり、このブログを書いているところがあります。

 

そんな彼の思考が覗ける本はこちら。

 

 

 

 

隈研吾

もう、建築のことをよく知らない人でもこの人の名前はもう知ってますよね。

 

国立競技場の設計者

www.nippon.com

 

品川新駅の設計者

www.fashionsnap.com

 

世界的建築家です。

 

そんな彼の思考が覗ける本はこちら。

 

 

 

嶋田洋平

たびたび、このブログで紹介してますね。

リノベーションといえば、最近はこの人。

建築に関わる人は、どんどん職能を広げていかないと生き残っていけないを実践している人がこの人ですね。

 

そんな彼の思考が覗ける本はこちら。

 

 

 

馬場正尊

東京R不動産の代表もされている馬場さん。

別会社でOpen Aという設計事務所も開いています。

 

建物のリノベーションだけでなく、公共空間のリノベーションなども提案していたり、手がけていて、とても面白い活動をされている方です。

 

そんな彼の思考が覗ける本はこちら。

 

 

 

手塚貴晴+由比

主に住宅をつくっていることが多く、その住宅はかなり開放的で気持ちよさそうな住宅ばかり。

夫婦共に変人すぎて、夫である貴晴氏はずっと青の服、妻の由比氏はずっと赤の服を着ています。

以前、たまたま街を歩いていたら、2人で自転車で散歩しているのを見かけたことがあります。青と赤だったから、すぐにわかった。プライベートでもずっとその服なんですね。変人です。

 

そんな彼の思考が覗ける本はこちら。

 

 

 

 ★★★★★

建築家が何を考えているか。

その一端が覗ける本たちは、時に哲学的で、時に自分の暮らし方を考えるきっかけを与えてくれることもあり、別に建築に携わる人に限らず、読んでみてほしい本だったりします。

 

ってことで、そんな感じ!

おしまいっ!